追加契約のがん保険、無事成立しました。

前回の続きです。

お客様のスケジュール変更に伴い、11月末予定だった契約手続きを今月初めに行いました。以下の手順で申し込み手続きを行い、雑談も含めて1時間ほどかかりました。

①保険会社所定の意向確認書でお客様の意向を最終確認し、記入していただく。

②契約概要・注意喚起情報(マーカーと付箋済み)を手交し、お客様に内容を確認していただく。

③ご契約のしおり・約款(マーカーと付箋済み)を手交し、管理人はもう1冊のご契約のしおり・約款を開いて、読み合わせ形式で重要事項を説明する。

④告知書に健康状態を記入していただく。

⑤申込書の記載事項(印字されている、住所・氏名・性別・生年月日・申込内容)に、誤りがないかを確認していただいたうえで署名をいただく。

⑥口座振替依頼書に記入・捺印していただく。

⑦意向確認書・告知書・申込書・口座振替依頼書のお客様控えを手交。

手続き終了後、速やかに保険会社に申込書類一式をレターパックで送付しました。やや時間がかかりましたが、18日付で保険契約が成立したことを確認し、お客様にその旨を連絡しました。

あとは、保障が開始されるのを待つだけです。

↑玄関脇の樹木に佇むアジアイトトンボ夏型の♂(8月撮影)。

まさかの基礎疾患発覚。プランを大幅修正。

数か月前の話ですが…前回の続きです。

5月末にお時間をいただくことができたので、お客様宅に訪問しました。

前回の話し合いで、

<①がん保険の保障は現行の契約を解約するのではなく、新たに通院治療を保障する主契約を別保険会社の商品で追加することも検討していいのではないか。

②終身医療保険は、「手術給付金の保障範囲の見直し」と「先進医療への対応」の2点で現行の契約を解約し、別保険会社への商品に乗り換えるというのは、年齢と払込期間の変化に伴う支払保険料の増加という負担を考慮すると、積極的に行うべきとは言えない。

③がん保険や医療保険の保障見直しよりも、ご自身の生活保障を今後の保障の中心に据えるということが重要なのではないか?そのためには就労不能状態を保障する生命保険商品を検討する必要がある。>

という結論に達したため、①と③を並行して話を進めることにしました。

①については、ひまわり生命とあんしん生命のがん保険(双方とも治療給付型)を比較提示して、パンフレットおよび設計書を用いて両社の保障の違いを説明しました。

③については、いわゆる「生活保障型」の収入保障保険を提示しました。提示したのは、あいおい生命とネオファースト生命の商品でそれぞれ設計書とパンフレットを用いて両社の違いを説明しました。

この時点で、お客様は③についてかなり強い関心を示されました。これは③で絞り込みかな?と思った矢先、お客様から「基礎疾患があっても加入できますか?」と思わぬ質問が出ました。

「基礎疾患と申しますと?」と質問すると、「実は( )でして。定期的に通院しています。」との返答をいただきました。

管理人は動揺を抑えつつ「( )って、確か、国指定の難病でしたよね?」と念のために確認すると、「そうです。手帳が発行されています(現物提示)。現在は生活に支障が出てない状態です」とのことでした。

この時点で③の加入は不可能がほぼ確定…念のために、保険会社の担当者に電話をかけて引き受けの目安を確認してもらうと、やはり「引受謝絶」でした。そこで率直に「③は残念ながら引受謝絶ですから、断念しましょう」と申し上げました。

この結果、お客様は①を実行することとなり、追加契約として選択したのはひまわり生命のがん保険でした。

以上です。

↑クヌギの樹液にやってきたノコギリクワガタ(6月撮影)。

遺族年金等(収入保障保険)の支払いを巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた、令和5年4~6月の裁定概要集(PDF)に、遺族年金等(収入保障保険)の支払いを巡る裁定事案がありました。

事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
 遺族年金等の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 被保険者が多発転移性肝腫瘍により死亡したため、令和元年10月に契約した収入保障保険にもとづき、遺族年金等を請求したところ、告知義務違反を理由に契約が解除され遺族年金等が支払われなかった。しかし、以下の理由により、遺族年金等を支払ってほしい。

(1)被保険者は、募集人に対し、悪性黒色腫の手術後、定期的に再検査・精密検査をしていたこと、肝転移を疑う精密検査を受けていたことを伝え、告知の要否を相談したが、募集人から、「定期的に受けているなら可」と言われたことから、特段告知することなく契約が成立した。

(2)医療機関の回答書には、検査結果は良性血管腫であり、死亡原因との因果関係はないとされている。

この事案は既に裁定終了となっています。

「悪性黒色腫」とはメラニン色素をつくる「メラノサイト」が癌化して発生する悪性腫瘍です。皮膚がんの一種としても知られていますが、粘膜や眼部でも生じます。

粘膜に生じた悪性黒色腫は、皮膚に生じたものより予後が悪いそうです。

さて、被保険者は悪性黒色腫の手術後、定期的に再検査・精密検査を受けていたようですが、この時点で契約申し込み手続きをすること自体に??です。

と申しますのも、このようなケースでは、保険会社の引き受け査定が大変厳しい結果(引受謝絶の可能性がとても高い)になるからです。

<保険会社の主張>によると、医療機関への確認で、被保険者は告知日以前に「転移性肝腫瘍疑い」で紹介受診し、告知日3ヵ月以内に検査を勧められていたことが判明しています。

その後、悪性黒色腫による多発転移性肝腫瘍(悪性黒色腫が肝臓に転移しており、画像検査で腫瘤が多発していることが確認できる状態)で亡くなったのですから、保険会社が告知義務違反による契約解除としたのは妥当でしょう。

仮に正直に告知していたら、引受謝絶となっていたものと思われます。

【裁定事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(令和5年4~6月裁定概要集・P40~41より転載)。

[事案2022-96]遺族年金等支払請求
・令和5年4月27日 裁定終了

<事案の概要>
 遺族年金等の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 被保険者が多発転移性肝腫瘍により死亡したため、令和元年10月に契約した収入保障保険にもとづき、遺族年金等を請求したところ、告知義務違反を理由に契約が解除され遺族年金等が支払われなかった。しかし、以下の理由により、遺族年金等を支払ってほしい。

(1)被保険者は、募集人に対し、悪性黒色腫の手術後、定期的に再検査・精密検査をしていたこと、肝転移を疑う精密検査を受けていたことを伝え、告知の要否を相談したが、募集人から、「定期的に受けているなら可」と言われたことから、特段告知することなく契約が成立した。

(2)医療機関の回答書には、検査結果は良性血管腫であり、死亡原因との因果関係はないとされている。

<保険会社の主張>
 以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)医療機関への確認の結果、被保険者は、告知日以前に悪性黒色腫の「転移性肝腫瘍疑い」にて紹介受診され、告知日前3ヵ月以内に検査をすすめられていたことが判明しており、告知義務違反に該当する。

(2)被保険者の死因は、悪性黒色腫による多発転移性肝腫瘍であることから、不告知事項と因果関係がある。

(3)募集人は、被保険者から、悪性黒色腫にかかる検査受診について聞いていたものの、告知項目における「がんの疑いでの再検査・精密検査」の該当性の判断はできないとして、主治医への確認を案内した。

<裁定の概要>
1.裁定手続
 裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、告知時の状況と和解を相当とする事情の有無を確認するため、申立人および募集人に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果
 上記手続きの結果、遺族年金等の支払いを認めることはできず、その他保険会社に指摘すべき特段の個別事情も見出せないことから、和解による解決の見込みがないと判断して、手続を終了した。

以上です。

↑春の夕日を浴びるシオヤトンボ・♀(4月撮影)。