ソニー生命の2022年度決算。

5月23日、ソニー生命保険はHPにて2022年度決算を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
5/23・ニュースリリース 2022年度決算(案)のお知らせ(PDF)

【管理人の感想】
1.保有契約は順調に増加

個人保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料は、前年度末比98.9%、103%、101.1%となっており、保有契約がマイナスでした。

一方、個人年金保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料は、前年度末比133.6%、136.3%、132.6%といずれも二桁の増加でした。

また、医療保障・生前給付保障等の保有契約年換算保険料は、前年度末比101%とこちらも増加でした。

個人保険の保有契約件数がマイナスに転じた理由が気になりますが、保有契約は今期も順調に増加したようです。

2.個人保険の新契約は落ち込む
個人保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は、前年度比90.6%、119.6%、97.7%と契約件数及び年換算保険料がマイナスでした。

一方、個人年金保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は、前年度比150.3%、149.5%、132.6%といずれも二桁の増加でした。

また、医療保障・生前給付保障等の新契約年換算保険料は、前年度比89.5%と二桁のマイナスでした。同社は医療保険の新契約引受を既に終了(医療保険の販売を終了しています)しているので、今後もこの分野は前年度割れが続くかもしれません。

【主要業績の内容】
以下、ソニー生命の主要業績の内容です(上記ニュースリリースより、抜粋・転載)。

〇保有契約
1)件数

・個人保険…777万1000件 前年度末比98.9%

・個人年金保険…113万8000件 前年度末比133.6%

・個人保険+個人年金保険…891万件 前年度末比102.3%

2)契約高
・個人保険…53兆9448億円 前年度末比103%

・個人年金保険…7兆1610億円 前年度末比136.3%

・個人保険+個人年金保険…61兆1059億円 前年度末比106%

・団体保険…1兆4101億円 前年度末比92.3%

・団体年金保険…44億円 前年度末比83%

〇新契約
1)件数

・個人保険…36万8000件 前年度比90.6%

・個人年金保険…31万3000件 前年度比150.3%

・個人保険+個人年金保険…68万2000件 前年度比110.8%

2)契約高
・個人保険…6兆2709億円 前年度比119.6%

・個人年金保険…2兆1125億円 前年度比149.5%

・個人保険+個人年金保険…8兆3835億円 前年度比126%

・団体保険…80億円 前年度比95%

〇年換算保険料
1)保有契約

・個人保険…9080億円 前年度末比101%

・個人年金保険…2064億円 前年度末比132.6%

・個人保険+個人年金保険…1兆1144億円 前年度末比105.7%

 うち医療保障・生前給付保障等…2157億円 前年度末比101%

2)新契約
・個人保険…712億円 前年度比97.7%

・個人年金保険…572億円 前年度比176.1%

・個人保険+個人年金保険…1285億円 前年度比121.9%

 うち医療保障・生前給付保障等…115億円 前年度比89.5%

〇保険料等収入、保険金等支払金、経常利益、当期純利益
・保険料等収入…1兆4738億円 前年度比107%

・保険金等支払金…9117億円 前年度比136.1%

・経常利益…953億円 前年度比177.7%

・当期純利益…1007億円 前年度比529%

〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度数値
・基礎利益…1196億円 前年度比90.5%

・ソルベンシー・マージン比率…2046.1% (2191.1%)

以上です。

↑春の彼岸で一気に見頃を迎えた彼岸桜(3月撮影)。

働く女性のがんへの備え。まず50万円超?-日経報道。

5月13日の日本経済新聞朝刊に、働く女性ががんになった際の備えに関する記事がありました。

記事によりますと、

< …

 国立がん研究センターの統計では、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性が65.5%、女性が51.2%(2019年)と男性の方が高い。ところが20~50代の年齢で見ると、がん患者は女性の方が多い。特に30~40代は女性が男性の2倍以上に上る。また厚生労働省の19年の調査では、仕事を持ちながらがんで通院する人は44.8万人で、約6割を女性が占める。60歳未満に限ると女性は男性の3倍以上になる。

女性は男性より早めにがんに備える必要がありそうだ。がんになると治療費などがかさむだけでなく、それまでのように働けなくなって収入が減ることも多く、家計への影響が大きい。

 …

 厚労省の医療給付実態調査(20年度)でがんの医療費を見ると、乳がんは入院で約59万円で入院外(外来など)が約5万9000円、子宮がんは約64万円と約3万3000円。保険適用前の金額なので3割負担の現役世代なら窓口で払うのは、乳がんが約18万円と約1万8000円、子宮がんは約19万円と約1万円になる。医療費の負担を抑える健康保険の高額療養費制度を利用できれば、入院・入院外合わせても10万円未満で収まるケースもありそうだ。

 ただ治療にかかる費用は病院に払う医療だけではない。差額ベッド代や食事代の一部、診断書作成料といった「病院に支払うその他のお金」、交通費や健康食品、医療用かつら(ウィッグ)など「病院以外に支払うお金」も必要になる。これらはいずれも保険適用外だ。乳がんの経験者であるファイナンシャルプランナー(FP)の黒田尚子氏は「治療によっては脱毛や皮膚障害などが発生する。外見が気になる女性は個室を希望したり、高額なウィッグを作ったりして医療費以外の出費が男性より膨らみやすい」と説明する。>

とのことです。

【管理人の感想】
これは管理人のお客様から数年前に聞いた話です。

そのお客様の勤務先に、がんの通院治療をしながら働いている社員がおり、その方は「限度額適用認定証」など、公的保険制度の使えるものはすべて使って経済的負担の軽減を図っているものの、「(負担が)苦しい」とこぼしていたそうです。

働きながら治療できるようになったとはいえ、治療費負担軽減の備えだけでは十分とは言えないということでしょう。

さて、今回の記事は治療費の負担軽減の手段として、医療保険(女性疾病特約やがん診断一時金特約等を付加したプラン)を取り上げていました。記事に登場するのはオリックス生命保険と三井住友海上あいおい生命保険の医療保険です。

女性疾病特約と一口に言っても、保障範囲はかつてのように女性特有の疾病で入院した際に、給付金日額が上乗せされるというだけではありません。

乳房再建術や、子宮、卵巣への手術に対する給付金支払に加え、抗がん剤治療の副作用に伴う脱毛に給付金を支払うものまであります。もちろんがん保険にも、抗がん剤治療の副作用に伴う脱毛に給付金を支払うものがあります。

また記事には登場しませんが、一部の生命保険会社では、三大疾病による所定の状態も就労不能保険の保障範囲に加えるプランを用意しています。そうしたプランも「がん保障」として検討されてはいかがでしょうか。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-2023年5月13日 日本経済新聞朝刊-

【働く女性、がん治療に備え―まず50万円超、生活費も貯蓄】

 東京都内に住む女性会社員のAさん(40)は昨年受けた人間ドックで精密検査が必要といわれ、病院を受診したところ「乳がん」と診断された。医師から切除手術と抗がん剤治療を勧められた。近く手術を受ける予定だが、一人暮らしのAさんは「貯金が少なく、十分な備えがない」。医療費の負担や仕事への影響を気にしている。

 国立がん研究センターの統計では、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性が65.5%、女性が51.2%(2019年)と男性の方が高い。ところが20~50代の年齢で見ると、がん患者は女性の方が多い。特に30~40代は女性が男性の2倍以上に上る。また厚生労働省の19年の調査では、仕事を持ちながらがんで通院する人は44.8万人で、約6割を女性が占める。60歳未満に限ると女性は男性の3倍以上になる。

女性は男性より早めにがんに備える必要がありそうだ。がんになると治療費などがかさむだけでなく、それまでのように働けなくなって収入が減ることも多く、家計への影響が大きい。

 まずはどんながんが多く、治療にいくらかかるか知っておきたい。現在、女性の罹患で最も多いのは乳がんで約9人に1人がかかるとされる。その後、大腸がん(結腸がんなど)、肺がん、胃がん、子宮がんと続く。20~40代の若い世代では、乳がんに加え、子宮がんの一種である子宮頸がん、卵巣がんといった女性特有のがんが多い。

 厚労省の医療給付実態調査(20年度)でがんの医療費を見ると、乳がんは入院で約59万円で入院外(外来など)が約5万9000円、子宮がんは約64万円と約3万3000円。保険適用前の金額なので3割負担の現役世代なら窓口で払うのは、乳がんが約18万円と約1万8000円、子宮がんは約19万円と約1万円になる。医療費の負担を抑える健康保険の高額療養費制度を利用できれば、入院・入院外合わせても10万円未満で収まるケースもありそうだ。

 ただ治療にかかる費用は病院に払う医療だけではない。差額ベッド代や食事代の一部、診断書作成料といった「病院に支払うその他のお金」、交通費や健康食品、医療用かつら(ウィッグ)など「病院以外に支払うお金」も必要になる。これらはいずれも保険適用外だ。乳がんの経験者であるファイナンシャルプランナー(FP)の黒田尚子氏は「治療によっては脱毛や皮膚障害などが発生する。外見が気になる女性は個室を希望したり、高額なウィッグを作ったりして医療費以外の出費が男性より膨らみやすい」と説明する。

 こうした病院以外に支払うお金なども考慮すると「1年目は治療費として50~100万円、さらに収入減にも備えるなら生活費3~6ヵ月分の預貯金を準備しておくとよい」(黒田氏)。負担を減らす公的な制度がすぐに利用できなかったり、手続きに時間がかかったりすることもある。数ヵ月間、治療に専念できる経済的備えがあれば、がん診断後の不安も和らげることができる。

 「働く女性は勤め先の健康保険の給付や福利厚生、休暇制度を事前に確認しておきたい」と看護師でFPの黒田ちはる氏は助言する。健保組合によっては独自に医療費の上限額を決めて超えた金額を払い戻す「付加給付」を導入している。高額療養費に上乗せする仕組みなので戻ってくる金額が多くなる。健保には働けなくなったときに月収の3分の2に相当する額を1年6ヵ月間支給する傷病手当金もある。またウィッグの費用を助成する自治体も多いので調べておくとよい。

 こうした制度を知ったうえで蓄えが足りなかったり、治療が長引くのが不安だったりするなら民間の保険が選択肢になる。若い女性では預貯金が十分でないとか、貯金があっても教育費や住宅ローンの返済などで使い道が決まっている場合があり、保険の必要性が高そうだ。

 女性向け医療保険は、女性特有や女性に多い病気に対する保障を厚くした商品だ。通常の医療保険に女性向けの特約を付加するものもある。乳房や子宮、妊娠・出産に関する症状などの入院・手術の費用をカバーする。がんは乳がんや子宮がんに限らず、大腸がんや胃がんなどほかの部位も対象になる。

 「キュア・レディ・ネクスト」はオリックス生命保険の女性向け医療保険。1日あたりの入院日額を通常の医療保険に5000円上乗せし「個室に入りたい女性のニーズにも応えられる」と説明する。上乗せ分を合わせた日額1万円の一般的なプラン(1入院の支払限度日数60日)だと保険料(月額、終身払い)は30歳で2145円、40歳は2410円。がんと診断されたときなどに一時金(50万円)が出る特約を付けると2940円、3435円になる。

 三井住友海上あいおい生命保険の医療保険「&LIFE 医療保険A(エース)セレクト」に「女性疾病給付特約」を付けると入院給付金が2倍になる。入院10日目まで一律10万円が出るプラン(同60日)は月額の保険料(終身)が30歳で2560円で40歳は2675円。50万円の一時金が出る「ガン診断給付特約」を付けると3147円、3461円になる。

 女性向けの医療保険は保障が分厚い分、通常の医療保険より保険料は高めだ。加入は30~40代が中心。がんだけではなく、妊娠・出産のリスクや他の病気に備えたいという女性も多いようだ。

以上です。