ソニー生命の第3四半期業績。

2月16日、ソニー生命保険はHPにて、2023年度第3四半期業績を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
2/16・ニュースリリース 2023年度第3四半期業績のご報告(PDF)

【管理人の感想】
1.保有契約は第三分野が減少

個人保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料は、前年同期末比97.7%、103.9%、101%と、件数が減少に転じたものの、契約高と年換算保険料は増加していました。

また、個人年金保年の保有契約件数・契約高・年換算保険料は、前年同期末比131.2%、137.1%、138.3%とこちらはいずれも二桁の増加でした。

医療保障・生前給付保障等の保有契約年換算保険料は、前年同期末比98.4%とこちらは減少していました。

同社は既に自前の医療保険の販売を取りやめているので、徐々に減少していくものと考えられます。

2.新契約は個人年金保険が引き続き好調。死亡保障も伸びた
個人保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は、前年同期比85%、116.4%、104.8%と件数が二桁の落ち込みであった一方で、契約高と年換算保険料は増加していました。死亡保障が伸びたものと思われます。

また、個人年金保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は、前年同期比125.2%、138.3%、144.3%といずれも二桁の増加でした。同社は元々変額個人年金保険が強かったのですが、2年前に投入した変額個人年金保険も好調を維持していますね。

医療保障・生前給付保障等の新契約年換算保険料は、前年同期比73.4%と二桁の落ち込みでした。

【主要業績の内容】
以下、ソニー生命の主要業績の内容です(上記プレスリリースより抜粋・転載)。

〇保有契約
1)件数

・個人保険…763万3000件 前年同期末比97.7%

・個人年金保険…139万3000件 前年同期末比131.2%

・個人保険+個人年金保険…902万7000件 前年同期末比101.7%

2)契約高
・個人保険…55兆6072億円 前年同期末比103.9%

・個人年金保険…9兆811億円 前年同期末比137.1%

・個人保険+個人年金保険…64兆6884億円 前年同期末比107.6%

・団体保険…1兆3318億円 前年同期末比92%

・団体年金保険…38億円 前年同期末比84.2%

〇新契約
1)件数

・個人保険…24万件 前年同期比85%

・個人年金保険…28万6000件 前年同期比125.2%

・個人保険+個人年金保険…52万7000件 前年同期比103%

2)契約高
・個人保険…5兆1904億円 前年同期比116.4%

・個人年金保険…2兆1042億円 前年同期比138.3%

・個人保険+個人年金保険…7兆2947億円 前年同期比122%

・団体保険…60億円 前年同期比148.3%

〇年換算保険料
1)保有契約

・個人保険…9166億円 前年同期末比101%

・個人年金保険…2588億円 前年同期末比135.2%

・個人保険+個人年金保険…1兆1754億円 前年同期末比106.9%

 うち医療保障・生前給付保障等…2134億円 前年同期末比98.4%

2)新契約
・個人保険…561億円 前年同期比104.8%

・個人年金保険…585億円 前年同期比144.3%

・個人保険+個人年金保険…1147億円 前年同期比121.8%

 うち医療保障・生前給付保障等…67億円 前年同期比73.4%

〇保険料等収入、保険金等支払金、経常利益、四半期純利益
・保険料等収入…1兆2753億円 前年同期比117.9%

・保険金等支払金…7605億円 前年同期比107%

・経常利益…189億円 前年同期比29%

・四半期純利益…112億円 前年同期比13.8%

〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度数値
・基礎利益…1331億円 前年同期比187.1%

・ソルベンシー・マージン比率…2006.2% (1994.7%)

以上です。

↑成虫越冬から目覚めたルリタテハ(今月撮影)。

アフラックの第3四半期業績。

2月14日、アフラック生命保険はHPにて、2023年度第3四半期業績を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
2/14・ニュースリリース 2023年度第3四半期報告(PDF)

【管理人の感想】
1.保有契約の減少続く

個人保険の保有契約件数、がん保険及び医療保険の保有契約件数は今期も減少していました。

また、個人保険及び医療保障・生前給付保障等の保有契約年換算保険料ですが、こちらも減少していました。なかなか保有契約件数の減少が止まりませんね。

2.がん保険及び医療保険の新契約は伸びず。個人保険及び第三分野の新契約年間保険料が増加。
個人保険全体の新契約件数は、前年同期比95.1%でした。がん保険の新契約件数は前年同期比99.4%、医療保険の新契約件数は前年同期比92.4%でした。

一方、個人保険の新契約年換算保険料は、前年同期比111.3%、医療保障・生前給付保障等の新契約年換算保険料は111%とどちらも二桁の増加でした。

死亡保障分野とがん保険・医療保険以外の第三分野商品の新契約が好調だったようです。がん保険は、新商品の効果がいったん落ち着いたのでしょう。医療保険の減少率は小さくなったと思います。

【主要業績の内容】
以下、アフラックの主要業績の内容です(上記ニュースリリースより抜粋・転載)。

〇保有契約件数 ( )内は前年度実績
・個人保険…2253万1000件 (2306万件)

・個人年金保険…32万9000件 (32万7000件)

・個人保険+個人年金保険…2286万1000件 (2338万8000件)

 うちがん保険…1444万4000件 (1479万6000件)

 うち医療保険…556万4000件 (568万4000件)

〇新契約件数
・個人保険…60万8000件 前年同期比95.1%

 うちがん保険…41万8000件 前年同期比99.4%

 うち医療保険…13万件 前年同期比92.4%

〇年換算保険料
1)保有契約 ( )内は前年度実績

・個人保険…1兆2197億円 (1兆2486億円)

・個人年金保険…979億円 (929億円)

・個人保険+個人年金保険…1兆3177億円 (1兆3416億円)

 うち医療保障・生前給付保障等…9934億円 (1兆141億円)

2)新契約
・個人保険…425億円 前年同期比111.3%

・個人保険+個人年金保険…425億円 前年同期比111.3%

 うち医療保障・生前給付保障等…382億円 前年同期比111%

〇保険料等収入、保険金等支払金、四半期純利益
・保険料等収入…9684億円 前年同期比100%

・保険金等支払金…9270億円 前年同期比143.9%

・四半期純利益…3147億円 前年同期比148.7%

〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度数値
・基礎利益…3334億円 前年同期比121.9%

・ソルベンシー・マージン比率…1202.7% (874.2%)

以上です。

↑よそ様の畑で栽培されているアブラナ科の花にやってきた天狗蝶(2月撮影)。

追加契約のがん保険の保障が始まりました。

前回の続きです。

3月6日、SOMPOひまわり生命の代理店システムにて、追加契約のがん保険の保障が開始されたとの通知がありました。こうした通知があるのはありがたいですね。

通知を確認したのが、群馬の本店で全体会議の直前だったため、お客様には本日、第1回目の保険料引き去りが来月から開始されることの通知も合わせて、電話連絡しました。

↑季節を飛び越えて初夏の陽気となった2月下旬に撮影したキタテハ秋型。

入院給付金の支払いを巡る裁定事案(告知義務違反による契約解除及び支払事由非該当)。

生命保険協会が取りまとめた、令和5年7~9月の裁定概要集に、入院給付金の支払いを巡る裁定事案がありました。

事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
 告知義務違反により契約を解除され、入院給付金が支払われなかったことを不服として、入院給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 糖尿病および高血圧症により令和4年1月から同年2月まで入院したため、令和3年11月に契約した組立型保険にもとづき、入院給付金を請求したところ、告知義務違反を理由に契約が解除され、給付金が支払われなかった。しかし、以下の理由により、入院給付金を支払ってほしい。

(1)契約以前に脂肪肝やアルコール性肝炎になったことはあるが、告知書の質問事項には当たらないと考えて告知しなかったため、本契約が解除されることはやむを得ない。

(2)主治医からは、血圧が200近くになっていて命にかかわると言われて入院しており、また、糖尿病については、病院へ確認した際の電話を募集人も聞いていたにもかかわらず、保険会社からHbA1c値を実際より少なく記載したのではないかなどと言われ、納得がいかない。

この事案は和解が成立しています。おそらく、高血圧症による入院期間の一部については、入院給付金の支払いがなされたものと思われます。

ちょっと嫌な見方ですが…申立人の申込は「逆選択(健康状態が良くない人が、積極的に保険契約を申し込むこと)」だと思ってしまいます。

<事案の内容>

以下、裁定事案の内容です(令和5年7~9月裁定概要集・P43~44より転載)。

[事案2022-330]入院給付金支払請求
・令和5年9月8日 和解成立

<事案の概要>
 告知義務違反により契約を解除され、入院給付金が支払われなかったことを不服として、入院給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 糖尿病および高血圧症により令和4年1月から同年2月まで入院したため、令和3年11月に契約した組立型保険にもとづき、入院給付金を請求したところ、告知義務違反を理由に契約が解除され、給付金が支払われなかった。しかし、以下の理由により、入院給付金を支払ってほしい。

(1)契約以前に脂肪肝やアルコール性肝炎になったことはあるが、告知書の質問事項には当たらないと考えて告知しなかったため、本契約が解除されることはやむを得ない。

(2)主治医からは、血圧が200近くになっていて命にかかわると言われて入院しており、また、糖尿病については、病院へ確認した際の電話を募集人も聞いていたにもかかわらず、保険会社からHbA1c値を実際より少なく記載したのではないかなどと言われ、納得がいかない。

<保険会社の主張>
 以下等の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)申立人は、契約前に、アルコール性肝炎および脂肪肝を原因として受診・入院していた。また、令和3年7月に受けた糖尿病に関する検査の結果、HbA1c値が7.7%であったが、申立人は、告知事項について、アルコール性肝炎および脂肪肝の受診歴を告知せず、また、HbA1cの値を7.0%と回答しており、正しく回答していなかったことから、告知義務違反により本契約を解除した。

(2)本入院の糖尿病について、申立人の病状は日常生活に支障をきたすものではなく、重篤な合併症も発生していない。また、本入院は、教育入院に該当するものではなく、「自宅等での治療の困難なため」という要件を欠いており、約款上の「入院」には該当しない。

(3)本入院の高血圧症について、申立人は脳や心臓・腎臓等に重篤な合併症は発症しておらず、治療内容も、薬物治療と食事療養(カロリー制限)のみであり、通院で治療可能なものであり、同様に約款上の「入院」には該当しない。

<裁定の概要>
1.裁定手続
 裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、契約時と入院時の状況と和解を相当とする事情の有無を確認するため、申立人に対して事情聴取を行った。また、独自に外部の専門医の意見を求め医学的判断の参考にした。

2.裁定結果
 上記手続の結果、以下の理由により、和解により解決を図るのが相当であると判断し。和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、手続を終了した。

(1)糖尿病については、入院して治療する必要性を認めることはできないが、高血圧症については、主治医が申立人に入院治療を指示した入院当日から、血圧が140程度に落ち着いた翌日の2日間は、入院して治療する必要性を否定できない。

(2)告知義務違反の対象となったアルコール性肝炎、脂肪肝、糖尿病に関する検査の結果(HbA1c7.7%)と高血圧症の間に、因果関係はない。

以上です。

↑節分に撮影した福寿草。