ソニー生命の第3四半期業績。

2月16日、ソニー生命保険はHPにて2021年度第3四半期業績を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。

  • 2/16・ニュースリリース 2021年度第3四半期業績のご報告(PDF)

    【管理人の感想】
    1.保有契約は堅調に増加

    個人保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料は前年同期末比で101%、104.7%、102.5%といずれも増加していました。

    また、個人年金保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料は前年同期末比で151.1%、153.2%、168.9%といずれも二桁の増加でした。

    医療保障・生前給付保障等の保有契約年換算保険料は、前年同期末比で102.4%とこちらも増加していました。

    ソニーライフ・ウィズ生命保険の吸収合併を反映したことも含め、今期も保有契約が堅調に増加したことが伺えます。

    2.新契約も順調に増加
    個人保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は前年同期比で111.4%、133%、146.1%といずれも二桁の増加でした。

    個人年金保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は前年同期比で177.9%、176.2%、181.%とこちらも二桁の増加でした。変額年金保険が好調だったものと思われます。

    医療保障・生前給付保障等の新契約年換算保険料は、前年同期比で120.7%とこちらも二桁の増加でした。

    新契約も順調に増加したことが伺えます。

    【主要業績の内容】
    以下、ソニー生命の主要業績の内容です(上記ニュースリリースより抜粋・転載)。

    〇保有契約
    1)件数

    ・個人保険…785万8000件 前年同期末比101%

    ・個人年金保険…80万2000件 前年同期末比151.1%

    ・個人保険+個人年金保険…866万1000件 前年同期末比104.2%

    2)契約高
    ・個人保険…51兆7253億円 前年同期末比104.7%

    ・個人年金保険…4兆9103億円 前年同期末比153.2%

    ・個人保険+個人年金保険…56兆6357億円 前年同期末比107.6%

    ・団体保険…1兆5620億円 前年同期末比93.6%

    ・団体年金保険…55億円 前年同期末比84.8%

    〇新契約
    1)件数

    ・個人保険…31万2000件 前年同期比111.4%

    ・個人年金保険…15万4000件 前年同期比177.9%

    ・個人保険+個人年金保険…46万6000件 前年同期比127.1%

    2)契約高
    ・個人保険…3兆9287億円 前年同期比133%

    ・個人年金保険…1兆383億円 前年同期比176.2%

    ・個人保険+個人年金保険…4兆9671億円 前年同期比140.2%

    ・団体保険…64億円 前年同期比149.2%

    〇年換算保険料
    1)保有契約

    ・個人保険…8870億円 前年同期末比1037.%

    ・個人年金保険…1476億円 前年同期末比180.1%

    ・個人保険+個人年金保険…1兆346億円 前年同期末比110.4%

    うち医療保障・生前給付保障等…2120億円 前年同期末比102.4%

    2)新契約
    ・個人保険…543億円 前年同期比146.1%

    ・個人年金保険…240億円 前年同期比181.1%

    ・個人保険+個人年金保険…783億円 前年同期比155.3%

    うち医療保障・生前給付保障等…97億円 前年同期比120.7%

    〇保険料等収入、保険金等支払金、経常利益、四半期純利益
    ・保険料等収入…1兆193億円 前年同期比115.6%

    ・保険金等支払金…5085億円 前年同期比132.4%

    ・経常利益…368億円 前年同期比69.2%

    ・四半期純利益…93億円 前年同期比25.6%

    〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度数値
    ・基礎利益…1134億円 107.4%

    ・ソルベンシー・マージン比率…2313.1% (2296.3%)

    以上です。

↑成虫越冬から目覚めたルリタテハ(3月撮影)。

 

国税庁が保険商品の審査に参加?日経報道。

2月10日の日本経済新聞・朝刊に、金融庁が実施している保険商品の審査に関する記事がありました。

記事によりますと、

< 金融庁と国税庁は行き過ぎた節税が問題となってきた「節税保険」に歯止めをかけるためにタッグを組む。両庁が協力して生命保険会社が設計した商品の内容を審査するほか、現場での募集の実態も調べる。市場規模が一時8000億円超に膨れ、貴重な収益源を失いたくない生保の対応は鈍かった。一方、同保険を認可してきた金融庁にも責任の一端がある。審査体制を改めることで、節税保険の抜け道を防ぐ狙いがある。>

とのことです。

【管理人の感想】
まず、「節税保険」などというものは存在しません。こうした誤解を招く表現で記事を書かなないでいただきたいものです。

保険商品の審査業務に国税庁が加わって、保険本来の役割から逸脱していないかどうかを助言するようですが、保険料の取り扱いに関することであれば、現状の仕組みで十分ではないかと思います。

募集の実態調査であれば、それこそ金融庁だけで十分でしょう。募集の現場にも国税庁まで加入させるようですが、大きなお世話です。適切な募集云々というのであれば、銀行窓販の規律を健全な状態すべきでしょう。

生保各社が国税庁と金融庁から本気で怒られることになった、保険料を全額損金算入できた逓増定期保険に限らず、法人契約の保険商品に関して、実効税率を反映した返戻率の高さを競うなどして、保障の提供という本来の役割から逸脱、あるはそう受け取られかねない契約を獲得してきたことは事実です。

しかし、近年の通達変更や法人向け商品の提案時に手交と説明が義務付けられた資料(保険による節税効果はないと明言)などによって、いわゆる「節税効果」なるものをPRすることはできなくなっています。

特に通達変更の影響は大きく、某外資系生保では優秀な人材が他社に移ったり、その代理店が廃業したりしたという噂まであったほどです。

医療保険やがん保険といった第三分野保険の法人契約も、保険料の全額損金算入について一定の制限がかけられていますから、以前のような募集はかなり難しい状況です。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2022年2月10日朝刊-

【節税保険 行き過ぎに歯止め】
金融庁と国税庁は行き過ぎた節税が問題となってきた「節税保険」に歯止めをかけるためにタッグを組む。両庁が協力して生命保険会社が設計した商品の内容を審査するほか、現場での募集の実態も調べる。市場規模が一時8000億円超に膨れ、貴重な収益源を失いたくない生保の対応は鈍かった。一方、同保険を認可してきた金融庁にも責任の一端がある。審査体制を改めることで、節税保険の抜け道を防ぐ狙いがある。

節税保険は支払った保険料を会社の経費として損金算入し、課税額を抑えられると称する商品。2010年代後半に日本生命保険や第一生命ホールディングス(HD)傘下のネオファースト生命保険などが相次ぎ商品を投入し、中小企業経営者らの需要をとらえて販売が拡大した。18年頃の市場規模は推定8000億円以上で、生命保険の新規契約全体の3割程度を占めるに至った。

金融庁は保険商品の認可にあたって、国税庁と連携する。脱税や、行き過ぎた節税に関する現場の知見を積んできた国税庁が保険商品に悪質な節税目的がないかを金融庁の商品審査部門に助言する。

節税に使われた保険は金融庁が認可しており、違法ではない。金融庁は「節税につながるかは認可の要素ではなく、保障上問題が無ければ認可する」との立場だった。だが、節税効果を分析しきれず、節税保険が蔓延する結果を招いた。国税庁が入り口段階から審査に絡むことで、商品認可のハードルが上がる可能性が高い。

募集の現場にも介入する。金融庁と国税庁は顧客にどのような勧誘をしているか、保険の販売代理店の調査でも協力する。ヒアリングを通じて、募集人が本来の趣旨に沿った保険として説明しているかチェックする。詳細は今後詰めていく。

省庁をまたぐ異例のタッグの背景には、節税の悪質性が年々高まっていることがある。国税庁は19年6月に保険料の損金算入方法を大幅に見直す通達を出し、「ドル箱」状態だった中小企業の経営者向け保険にメスを入れた。だが今度は別の抜け穴をついた「名義変更プラン」と呼ばれる商品が外資系など一部の生保から登場した。

名義変更プランは定期保険の一種で、解約時の返戻率が低いうちに契約者の名義を法人から個人へ変え、返戻率が高くなった時期に解約して返戻金を受け取る仕組み。解約返戻金は「一時所得」として扱われ、通常の所得より税負担が軽い。国税庁は21年6月に実質認めない通達を出した。

介護保険にも問題が広がった。一部の外資系生保が、介護保険を通じて高所得者が子供など親族に非課税でお金を移せる手法として打ち出した。国税庁は21年3月、介護保険で保険金の非課税制度を悪用した節税手法をとらないよう生保業界に注意喚起した。

金融庁も21年11月の生命保険協会との意見交換会で、節税保険も含め「適正な保険募集の徹底を改めてお願いしたい」とくぎを刺した。同庁幹部は「節税効果の有無にかかわらず、顧客のための商品でなければ保険として意味をなさない」と話す。

これまで金融庁と国税庁は事務的なやり取り以外は別に動いていた。金融庁は顧客の保護、国税庁は税金の適正な徴収と行政目的が違うためだ。行き過ぎた節税行為を抑止するには、省庁を超えて連携したほうが効率的との判断に至った。

生保業界からは不満もこぼれる。ある大手生保幹部は顧客への商品説明の充実は重要としながらも、「問題が長年収束しなかったのは、商品にお墨付きを与える当局にも責任の一端がある」と本音を漏らす。別の生保の執行役員は「企業経営者の需要があるから商品をそろえた。駄目なら一律禁止にすればいい」と話す。

生命保険協会によれば、2020年度の個人保険(経営者保険含む)の保有契約高は815兆円と5年前比で5%減った。人口減や若者の保険離れが進む中、業界全体として売りやすい保険に飛びついた面は否めない。今回の商品審査見直しをきっかけに経営者向け保険のあり方について生保業界全体として真剣に考える必要がある。

以上です。

↑、成虫越冬から目覚めたキタテハ・秋型(3月撮影)。

オリックス生命、医療保険の新商品を発表。

2月14日、オリックス生命保険はHPにて、医療保険の新商品を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。

2/14・プレスリリース 医療保険「キュア・ネクスト」「キュア・レディ・ネクスト」を発売(PDF)

【管理人の感想】
今回の新商品の特徴は、3大疾病の保障を強化したことです。まず、三大疾病への一時金給付です。

現行商品は「重度三疾病一時金」で、悪性新生物と上皮内新生物、急性心筋梗塞、脳卒中が対象です。

新商品では「特定三疾病一時金」となり、悪性新生物と上皮内新生物、心疾患、脳血管疾患が対象となり、一時金の支払い範囲が拡大します。

支払事由も、心疾患や脳血管疾患の場合、60日の労働制限などから入院又は手術、10日以上の継続入院又は手術となり、支払事由も拡大します。

次に、保険料の払込免除事由です。

現行商品は、悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中による約款所定の状態に該当することが免除自由です。

新商品では、悪性新生物と上皮内新生物、心疾患、脳血管疾患による約款所定の状態に該当することが免除事由となり、保険料の払込免除の範囲が拡大します。

一時金支払事由が拡大されることは、まとまったお金をできるだけ速やかに受け取りたいと考えているお客様にとっていいことだと思います。

【公式コメントの内容】
以下、オリックス生命の公式コメントの内容です(上記プレスリリースより抜粋・転載)

【医療保険「キュア・ネクスト」「キュア・レディ・ネクスト」を発売】

~三大疾病の保障をさらに手厚く、「治したい気持ち」を力強くささえる医療保険へ~

オリックス生命保険株式会社(本社:東京都千代田区、社長:片岡 一則)は、このたび、当社主力商品の「医療保険 新キュア」「医療保険 新キュア・レディ」※1をリニューアルし、2022年4 月2日より「医療保険キュア・ネクスト」「医療保険キュア・レディ・ネクスト」(以下、キュア・ネクスト)の販売を開始しますのでお知らせします。

「医療保険キュア」は、“シンプルで分かりやすいこと”“合理的な保障をお手頃な価格でご提供すること”をコンセプトとしており、2006年9月発売以降の保有契約件数が200万件※2を超える当社のベストセラー商品として、多くのお客さまからご支持をいただいています。今回の新商品「キュア・ネクスト」は、従来商品のコンセプトを継承しながらも、三大疾病(がん※3・心疾患・脳血管疾患)をさらに手厚く保障できる商品へと進化しました。

医療技術の進歩等により、三大疾病は治る病気になりつつあると言われる一方、人生100年時代の到来で平均寿命が延び、年齢とともにその発症リスクが高くなる傾向にあります。

また、入院や治療の長期化により金銭面の負担が大きくなるケースも多い中、「キュア・ネクスト」は、保険料はお手頃なまま三大疾病の保障をより充実することで、お客さまの「治したい気持ち」をさらに力強くお支えします。

当社は、今後も時代のニーズに合った商品をご提供し、多くのお客さまに選ばれる保険会社であり続けることを目指してまいります。

【主なリニューアルポイント】

①三大疾病をさらに手厚く保障します
保険料払込免除特則と三疾病一時金の保障範囲を「心疾患」「脳血管疾患」に拡大するとともに、「上皮内新生物」を、保険料払込免除特則の保障範囲に追加しました。

②死亡保障にも備えられるようになります
「終身保険特約」の付加を可能とし、医療保障とともに、終身の死亡保障を一つの契約でご準備いただけるようになりました。

③保障はシンプルで分かりやすく、保険料はお手頃なままに
医療保険キュアシリーズのコンセプトはそのままに、保障範囲は拡大しつつも、シンプルで分かりやすく、かつ合理的な保障をお手頃な価格でご準備いただけます。

※1.「医療保険 新キュア」「医療保険 新キュア・レディ」は、2022年4月1日をもって販売停止となります。

※2.「キュア」「キュア・レディ」(2006年発売)、および「新キュア」「新キュア・レディ」(2013年発売)の保有契約件数(2021年9月時点)。

※3.上皮内新生物を含みます。

以上です。

↑道端のカラスノエンドウでアブラムシを捕食するナナホシテントウ(2月撮影)。