死亡保険金等(養老保険)の支払いを巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた、令和4年4~6月の裁定概要集(PDF)に、死亡保険金等(養老保険)の支払いを巡る裁定事案がありました。

裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
告知義務違反により契約が解除されたことを不服として、解除の取消しと死亡保険金等の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
被保険者が大動脈解離により入院し、出血性ショックで死亡したため、平成31年3月に契約した養老保険の医療特約にもとづき、死亡保険金および疾病入院保険金を請求したところ、告知義務違反により契約が解除となった。しかし、以下の理由により、解除を取り消して、死亡保険金および疾病入院保険金を支払ってほしい。

(1)告知書の内容からは、5年以上前の大動脈解離の事実記載の必要性はないと考えるのが一般的である。

(2)大動脈解離は持病に類するものではなく、再発も予想されにくい病気である。

…この事案は既に裁定が終了しています。

結論を申しますと、契約解除は当然です。

大動脈解離は医的査定結果が厳しい病のひとつです。加入時に告知していれば、謝絶(引受不可)となっていたでしょう。

大動脈解離とは、大動脈の血管に傷が生じたことで、内膜・中膜・外膜という3つの血管層の内の、内膜(ないまく)と中膜(ちゅうまく)の間に血液が流れ込んで内膜と中膜との間が裂けてしまう病気です。

故・石原裕次郎さんやドリフターズのメンバー・加藤茶さんが発症しました。

上行大動脈や弓部大動脈、下行大動脈、腹部大動脈といった場所によって、胸部の激痛など症状が多様といわれています。

上行大動脈に解離が生じたものを「スタンフォードA型」、下行大動脈に解離が生じたものを「スタンフォードB型」と言います。スタンフォードA型は緊急手術を要するものがほとんどで、一般的に予後不良と言われています。

【事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和4年4~6月裁定概要集・P46より転載)。

[事案2021-211]死亡保険金等支払請求
・令和4年5月17日 裁定終了

<事案の概要>
告知義務違反により契約が解除されたことを不服として、解除の取消しと死亡保険金等の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
被保険者が大動脈解離により入院し、出血性ショックで死亡したため、平成31年3月に契約した養老保険の医療特約にもとづき、死亡保険金および疾病入院保険金を請求したところ、告知義務違反により契約が解除となった。しかし、以下の理由により、解除を取り消して、死亡保険金および疾病入院保険金を支払ってほしい。

(1)告知書の内容からは、5年以上前の大動脈解離の事実記載の必要性はないと考えるのが一般的である。

(2)大動脈解離は持病に類するものではなく、再発も予想されにくい病気である。

<保険会社の主張>
以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)被保険者は、平成26年11月に大動脈解離により入院し、以後定期的に通院治療をしている。

(2)死亡保険金の支払事由が、解除の原因となった事実にもとづくため、死亡保険金を支払うことはできない。

(3)疾病入院保険金については、発病が特約の保険期間外のため支払うことはできない。

<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、本件にかかる経緯等と和解を相当とする事情の有無を確認するため、申立人および申立人子に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果
上記手続きの結果、契約解除の取消しおよび死亡保険金等の支払いは認められず、その他保険会社に指摘すべき特段の個別事情も見出せないことから、和解による解決の見込みがないと判断して、手続を終了した。

以上です。

↑5月に撮影したアオハダトンボ・♀。

新型コロナウイルス感染症に対する公費と自助(民間生命保険)について。

0月15日の日本経済新聞朝刊に、新型コロナウイルス感染症における公費と自助(民間生命保険)に関する記事がありました。

記事によりますと、

< 新型コロナウイルスは「第7波」が落ち着き、小康状態が続いている。だが、冬に向けて再び感染者が増えるとも想定される。完全な感染終息を期待せず、日常生活への影響を抑える「withコロナ」へと社会にも変化が出てきた。コロナに感染したときの医療費などの自己負担や給付について改めて確認してみた。

ただ、そもそも新型コロナに感染した場合の医療費には公的な支援が手厚く、自己負担は限られるといえる。

一般的なケースで見てみよう。まず発熱などの症状があり、新型コロナへの感染の疑いがあれば、かかりつけ医などの医療機関を受診する。この際の初診料などは健康保険の対象で、自己負担は原則として3割になる。個々で医師が感染の有無を調べる「PCR検査」や「抗原検査」の必要があると判断したとする。これらの検査費用は健康保険と公費での負担になり、自己負担はゼロになる。

さらに検査結果が陽性となった場合、保健所などがコロナの療養機関として認める期間は医療費は全額、健康保険と公費負担で賄うため自己負担はゼロだ。入院したり、病院の代わりにホテルなどの宿泊施設で療養したりする場合も、基本的な食費や滞在費は公費負担になる。

治療で自己負担となるのは、肺のコンピューター断層撮影装置(CT)検査といった感染の有無を調べる以外の検査など。それも健康保険の対象なら自己負担は3割で済む。1ヵ月当たりの医療費が膨らんだ場合は高額療養費制度により自己負担の上限額が8万円程度(一般的な収入の場合)に抑えられる。なお、入院や宿泊施設での療養期間中の衣類や歯ブラシなどの日用品や洗濯などの費用は自己負担となる。これは通常の入院と同じだ。>

とのことです。

【管理人の感想】
民間生命保険の対応は、すでに39の生命保険会社が発表しているように、「みなし入院」における入院給付金や入院一時金の支払い対象を妊産婦など、重症化リスクが高い人たちに限る変更を行っています。

2020年に金融庁からの要請が出されたことに伴い、生命保険各社は特例として入院給付金の支払事由の解釈を弾力的に運用し、入院給付金や入院一時金の支払いについて、宿泊施設や自宅で療養を余儀なくされた人も対象としてきました。

しかし新型コロナウイルスの変異に伴い、重症患者よりも軽症や無症状の患者の割合が多くなりました。

軽症患者や無症状の患者は、

「医師の治療が必要であり、かつ自宅等での治療が困難なため、病院または診療所に入り、常に医師の管理下において治療に専念する」

という入院の定義に該当する状態にはないといえますから、特例の対象から外して当然かと思います。

また、新型コロナウイルス感染症への保障に特化した保険商品が相次いで販売停止となり、引き受けていた少額短期保険会社が業務改善命令を受けました。

これについては、統計が固まっていない新型感染症を単体で保険契約として引き受けた時点で、見通しが甘すぎたとしか言いようがありません。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2022年10月15日朝刊-

【コロナ感染「費用」を確認】
新型コロナウイルスは「第7波」が落ち着き、小康状態が続いている。だが、冬に向けて再び感染者が増えるとも想定される。完全な感染終息を期待せず、日常生活への影響を抑える「withコロナ」へと社会にも変化が出てきた。コロナに感染したときの医療費などの自己負担や給付について改めて確認してみた。

神奈川県内に住む会社員男性(50)は最近、自身が加入する生命保険会社に問い合わせの電話をかけた。新型コロナ感染者への医療保険の支払条件を厳しくすると報道で知ったためだ。保険会社の回答は「今後は自宅療養なら給付の対象がになる」というもので、落胆したという。

このほど変わったのは「入院給付金」の支払い条件だ。生命保険協会に加盟する生保42社のうち、39社が新型コロナの感染者に支払う入院給付金の対象を大幅に絞った。9月25日までに感染が判明した場合は軽症で自宅療養でも給付金を受け取れる。9月26日以降に感染が分かった場合は新基準が適用される。

本来、入院給付金の支払いは「病院に入り、常に医師の管理下で治療に専念すること」が条件。だが新型コロナウイルスに感染すると、比較的軽症で自宅などで療養する場合でも「みなし入院」として入院給付金の対象になっていた。感染拡大当初に医療機関の病床圧迫を避けるための金融庁の要請を踏まえての「特例」だった。9月26日以降は(1)65歳以上の高齢者(2)入院が必要な人(3)新型コロナウイルス感染症の治療薬を投与する必要がある(4)妊婦-を条件に変えた。

新型コロナウイルス感染症に対応する保険の見直しは相次いでいる。大手損害保険も医療保険などの加入者には、みなし入院に対して保険金を払っていたが、生保と同様に9月下旬から支払い対象を絞った。

ネット経由などで販売が拡大した「コロナ専用保険」では販売停止が相次いでいる。医師に陽性と診断されたら保険金が出る分かりやすさで支持を集めたが、第7波での陽性者数が想定を上回り、保険金の支払い件数が増加。収支のバランスが崩れたことが主因とみられている。

損が保険ジャパンは8月にスマホ決済「Pay Pay(ペイペイ)」を通じて販売していた保険「コロナお見舞金」の販売を停止した。今年に入り新契約の保険料を引き上げたり保険金の減額をしたりしたが、収支悪化に歯止めがかからなかった。なお、すでに契約済みの保険は満期まで契約時の内容で補償されるという。

入院給付金の制度変更は対象外となる契約者からみれば心理的な影響は小さくないだろう。商品によっては陽性と診断されれば数万円から数十万円を受け取れるためだ。ただ、そもそも新型コロナに感染した場合の医療費には公的な支援が手厚く、自己負担は限られるといえる。

一般的なケースで見てみよう。まず発熱などの症状があり、新型コロナへの感染の疑いがあれば、かかりつけ医などの医療機関を受診する。この際の初診料などは健康保険の対象で、自己負担は原則として3割になる。個々で医師が感染の有無を調べる「PCR検査」や「抗原検査」の必要があると判断したとする。これらの検査費用は健康保険と公費での負担になり、自己負担はゼロになる。

さらに検査結果が陽性となった場合、保健所などがコロナの療養機関として認める期間は医療費は全額、健康保険と公費負担で賄うため自己負担はゼロだ。入院したり、病院の代わりにホテルなどの宿泊施設で療養したりする場合も、基本的な食費や滞在費は公費負担になる。

治療で自己負担となるのは、肺のコンピューター断層撮影装置(CT)検査といった感染の有無を調べる以外の検査など。それも健康保険の対象なら自己負担は3割で済む。1ヵ月当たりの医療費が膨らんだ場合は高額療養費制度により自己負担の上限額が8万円程度(一般的な収入の場合)に抑えられる。なお、入院や宿泊施設での療養期間中の衣類や歯ブラシなどの日用品や洗濯などの費用は自己負担となる。これは通常の入院と同じだ。

新型コロナで仕事を休んだ場合の補償も確認しておきたい。まず、会社員などが業務によって感染したことが明らかな場合は、労働者災害補償保険(労災保険)の対象になる。療養のために仕事を休み、賃金が支払われなかった場合は、休業4日目から給与の8割程度の給付を受けられる。飲食店で接客業務をしていて、客に集団感染があった場合などは認められる可能性が高い。

労災の対象にならない場合、健康保険に加入する会社員は、傷病手当金を受け取れる。賃金が支払われない場合は休業4日目から、給与の約3分の2をもらえる。ファイナンシャルプランナーの内藤真弓氏は「企業によっては独自の給付を用意してる例もある。勤務先の内容を確認しておきたい」と話す。

国民健康保険には、通常傷病手当金はないが、新型コロナの感染の場合は傷病手当金を受け取れる場合がある。パートやアルバイトなど短時間労働でも給与をもらい、勤務先の健康保険に加入していない場合は、多くの自治体の国民健康保険で傷病手当金の支給対象になる。ただし、フリーランスや自営業者の場合は支給される自治体が少ない。その場合は、民間の所得補償保険への加入で備えることも一案になる。

以上です。

↑、5月に撮影したイチモンジチョウ・♂。

治療費の補填として活用できなかったがん保険の給付金。

今回は、がん治療費の補填として活用することが叶わなかったがん保険の給付金についてです。

今から2年前の話です。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う、全国に発出された緊急事態宣言が解除されて間もない、2020年(令和2年)6月中旬の日曜日、埼玉県西部にお住まいのお客様から電話が入りました。

何事か?と電話に出ると、「実家の父が癌と診断されたので、父が加入しているがん保険の請求手続きを教えてほしい」ということでした。もちろん即座に承諾し、翌週にお客様宅に伺いました。

そこで実家のお父様の病状について話を聞くことにもなったのですが、それは

肺に腫瘍が見つかった。ただ、心臓に近い場所であることに加え、長年の喫煙による肺の基礎疾患(COPD)を抱えていたため、肺の機能が急速に低下してしまった。

そのため、手術、放射線治療、抗がん剤治療といった標準治療はおろか、病理組織検査すら肉体的負担が大きすぎるため実施不可能である。酸素飽和度を維持するために、酸素マスクが不可欠の状態。

CT検査の結果、肺がんであることは疑いようがないとの診断を受けている。

というものでした。

また、加入していたがん保険は30年以上前の新がん保険を、90年代初めにスーパーがん保険へと変更したものでした。ご本人は大の保険嫌いだったため、その後の保障強化の手続き案内を一切開封しなかったそうです。

ご本人の状態が、診断給付金や入院給付金の支払事由に該当するか否か、不安がありましたが、ご連絡をくださったお客様が代理人として請求手続きを行いました。

それから間もなく、ご本人が逝去されたとのご連絡をいただきました。後日、ご実家に伺い線香をあげさせていただきました。

そこで、請求手続きの結果を教えていただきました。手術給付金以外の給付金がもれなく支払われたとのことでした。

ご本人の治療費補填という、本来の役割を果たすことは叶わなかったのですが、ご遺族を少しでも慰めることはできたのではないかと思います。

↑5月に撮影したニホンカワトンボ・♂。

8月における生保の入院給付金支払い件数が100万件を超える。新型コロナウイルス感染症第7波の影響大。

9月29日の日本経済新聞朝刊に、8月における生命保険各社の入院給付金に関する記事がありました。

記事によりますと、

< 新型コロナウイルスの感染第7波を受け、生命保険会社が請求者に支払う入院給付金額が再び急増している。生保協会によると、今年8月の支払い件数は102万件と初めて100万件を突破。支払額も1000億円に迫る規模だった。足元で新規の感染は落ち着きを見せるが、感染から請求までに1~2ヵ月程度の時間差がある。第7波の影響は当然続きそうだ。>

とのことです。

【管理人の感想】
感染者数が増加すれば「みなし入院」の件数も増えるのですから、支払い件数と金額が増えるのは当然でしょうね。

ただ、生保各社からすれば、モラルリスクの疑いがある不良契約が増えているので、その対策が重要でしょう。

先日、記事にしましたが複数の生命保険会社が、モラルリスクが疑われる不良契約を排除、あるいは高額の給付金額を設定し、みなし入院による入院一時金で得しようとする(射幸心をあおる)契約を防ぐ対策を実施する通達を出しています。

また、みなし入院に伴う、入院給付金や入院一時金の支払い対象については、既に見直されました。生命保険にご加入の方には、加入している生命保険会社から文書が送付されていることと存じます。

生命保険会社からの郵送物を必ず確認してください。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2022年9月29日朝刊-

【入院給付金、支払い最高】
新型コロナウイルスの感染第7波を受け、生命保険会社が請求者に支払う入院給付金額が再び急増している。生保協会によると、今年8月の支払い件数は102万件と初めて100万件を突破。支払額も1000億円に迫る規模だった。足元で新規の感染は落ち着きを見せるが、感染から請求までに1~2ヵ月程度の時間差がある。第7波の影響は当然続きそうだ。

病気やけがに備える医療保険では入院したり、手術を受けたりした場合に給付金を受け取れる。加盟42社の支払い状況を生保協が集計したところ、8月の支払件数は102万件を超えた。これまでの最高だった6月(72万件)より約4割多い計算だ。支払額も951億円と過去最多を2ヵ月ぶりに更新した。

本来なら入院しなければ給付金を受け取ることはできないが、感染者で病床があふれる事態を防ごうと各社は金融庁の要請も踏まえて約款の解釈を変更。自宅やホテルで療養する「みなし入院」の感染者にも給付金を支払う措置を2020年4月から続けてきた。今年8月末までの支払額は累計で4246億円となり、みなし入院への支払いは94%を占める。

7月に始まった感染第7波は今月に入って終息したが、給付金の請求が本格化するのはこれからだ。26日には医療保険を取り扱う全39社がみなし入院への対応を見直し、給付金の支払い対象を65歳以上の高齢者や妊婦など重症化の恐れが高い感染者に絞る運用へと切り替えた。

それでも感染から請求までに1~2ヵ月程度の時間差があることを踏まえれば、9月以降も高い水準の支払が続く公算が大きい。日本生命保険が請求への対応や支払いにあたる人員を10月から平時の2.5倍以上にあたる400人程度に増やすなど、各社は対応を急いでいる。

以上です。

↑5月に撮影したアオハダトンボ・♀。

三大疾病一時金の支払いを巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた、令和4年4~6月の裁定概要集(PDF)に、三大疾病一時金の支払いを巡る裁定事案がありました。

裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
告知義務違反を理由に契約が解除され、三大疾病一時金が支払われなかったことを不服として、一時金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
令和3年6月に皮膚表皮内がんに罹患したことから、令和3年2月に契約した引受緩和型医療保険にもとづき三大疾病一時金を請求したところ、告知義務違反を理由に契約が解除され、一時金が支払われなかった。しかし、以下の理由により、三大疾病一時金を支払ってほしい。

(1)告知時、皮膚の病気により病院で紫外線療法を受けていたことは事実であるが、医師からは、「皮膚の細胞が新しく生まれ変われるサイクルが少しおかしい状態であるが、大した皮膚病ではない」と告げられ、菌状息肉症や皮膚リンパ腫であるとは告げられていない。

(2)右頬扁平皮膚がんの既往歴があるため、引受緩和型の本契約に加入したが、皮膚リンパ腫に罹患していることを知っていれば、嘘をついてまで本契約に申し込みはしなかった。

(3)令和3年2月から9月の間は保険料を払っており、この間は契約が存在するため、三大疾病一時金を給付すべきである。

…この事案は既に裁定が終了しています。

<保険会社の主張>によると、申立人は契約前に菌状息肉腫と診断されています。これでは申立人の主張は認められませんね。

また、一時金請求事由である、皮膚表皮内がんについては<保険会社の主張>によると、「日光角化症」とされています。日光角化症は前癌病変で転移することはありません。

この段階で治療をすれば命にかかわることないものの、放置してしまうと悪性度の高い有棘細胞癌に進展してしまうそうです。

おそらく、前癌病変(腫瘍細胞が表皮内にとどまっている状態)であったことから、約款に定める「悪性新生物」の定義に該当しなかったのでしょう。

【裁定事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和4年4~6月裁定概要集P42~43より転載)。

[事案201-244]三大疾病一時金支払請求
・令和4年6月9日 裁定終了

<事案の概要>
告知義務違反を理由に契約が解除され、三大疾病一時金が支払われなかったことを不服として、一時金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
令和3年6月に皮膚表皮内がんに罹患したことから、令和3年2月に契約した引受緩和型医療保険にもとづき三大疾病一時金を請求したところ、告知義務違反を理由に契約が解除され、一時金が支払われなかった。しかし、以下の理由により、三大疾病一時金を支払ってほしい。

(1)告知時、皮膚の病気により病院で紫外線療法を受けていたことは事実であるが、医師からは、「皮膚の細胞が新しく生まれ変われるサイクルが少しおかしい状態であるが、大した皮膚病ではない」と告げられ、菌状息肉症や皮膚リンパ腫であるとは告げられていない。

(2)右頬扁平皮膚がんの既往歴があるため、引受緩和型の本契約に加入したが、皮膚リンパ腫に罹患していることを知っていれば、嘘をついてまで本契約に申し込みはしなかった。

(3)令和3年2月から9月の間は保険料を払っており、この間は契約が存在するため、三大疾病一時金を給付すべきである。

<保険会社の主張>
以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)申立人が罹患した皮膚表皮内がんは日光角化症であり、約款に定めるがんに該当せず、三大疾病一時金の支払事由を充足しない。

(2)申立人は、本契約の申込前に菌状息肉症と診断され、医師から皮膚リンパ腫の一種であると説明を受けている。菌状息肉症は、本約款上の癌に該当するが、三大疾病一時金の支払事由である、「責任開始日の年前の応当日の翌日以後責任開始時前にがんと医師によって診断確定されたことのない」を充足しない。

(3)申立人は、告知時に、菌状息肉症に罹患して医師の診察を受けていたが、告知書において、「過去5年以内に、悪性新生物又は上皮内新生物で、医師による診療(問診・診察・検査・治療・投薬)を受けたことがありますか?」の問いに対し「いいえ」と回答しており、その告知は事実に反する。

<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、告知時の状況等を把握するため、申立人および募集人に対し事情聴取を行った。

2.裁定結果
上記手続きの結果、申立人の告知義務違反は認められ、その他保険会社に指摘すべき特段の個別事情も見出せないことから、和解による解決の見込みがないと判断して、手続を終了した。

以上です。

↑5月に撮影したニホンカワトンボ・♂。

医療保険の日額等の上限見直しなどの通達が出されました。

39社の生命保険会社が、新型コロナウイルス感染症における、みなし入院の入院給付金等の支払い対象を見直すことを発表して間もないのですが、モラルリスクが疑われるケースが増加したことを踏まえ、医療保険の給付金上限を引き下げるなどの措置を通知する保険会社が出てきました。

保険会社名や保険商品名などの具体的なことは明かせませんが、勤務先と代理店委託契約を締結している生命保険会社のうち、外資系生保と国内大手生命保険会社から、

①医療保険の給付金日額や一時金の、同一被保険者の通算限度額を引き下げる(外資系生保)。

②医療保険の一時金、入院継続時の一時金の上限・下限を引き下げる(国内大手生保)。

③募集資料の配布や保険商品の提案といった募集行為を行っていない人から、保険商品指定や保険会社指定で医療保障に対する自発的な加入申し込みがあった場合は、保険会社の方針として断る(国内大手生保)。

といった旨の通達が出されました。

こうした通達の背景には、保険会社からみると「加入後から給付金請求までの期間が短いものが多い」など募集人による一時選択では、排除困難なモラルリスクの疑いがある契約締結なされているであろうことが伺えるからです。

以上です。

↑春の林道で縄張りを見張るツマグロヒョウモン・♂(5月撮影)。

アフラック、がん保険の新商品を投入。

8月22日、アフラック生命保険はがん保険の新商品を投入*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。

  • 8/5・ニュースリリース <「生きる」を創るがん保険 WINGS>の発売について(PDF)

    【管理人の感想】
    ニュースリリースを読む限り、新商品は

    現行商品(Days1ALL-in)の保障のうち2つを改定し、2つの新特約を設けたもの。

    となっています。2つの新特約は現行商品に付加することが可能となっているようですので、現行商品に契約中の方も、新商品に準じた保障内容に変更することは可能のようです。

    一方で、21世紀がん保険以降行ってきた、既契約者専用の保障内容強化の特約ですが、今回は言及されていません。保障内容が改定された部分で、既契約者と新商品加入者との間に差がつくことはやむなしとしたのでしょうかね。

    【公式コメントの内容】
    以下、アフラックの公式コメントの内容です(上記ニュースリリースより抜粋・転載)。

    【<「生きる」を創るがん保険 WINGS>の発売について】

    アフラック生命保険株式会社(代表取締役社長:古出 眞敏)は、最新のがん治療保障とがんの悩みや不安の解消をサポートするサービスを組み合わせた新商品<「生きる」を創るがん保険 WINGS>を8月22日に発売します。

    人生100年時代ともいわれる超高齢化社会において、がんと診断される人が増加している一方で、医療の進歩により生存率は向上しており、がん患者は長く続く治療や治療後の生活の中で、多種多様な問題や悩み、不安に直面しています。

    こうした中、当社は、がんとの共生という社会的課題の解決に向けて、患者とそのご家族を中心として、医療者、職場など様々なステークホルダーが連携・協業するためのプラットフォーム「キャンサーエコシステム」の構築に取り組んでいます。

    このたび、当社はその取り組みの一環として<「生きるを創る」がん保険 WINGS>を発売します。本商品は、がんと診断される前の精密費用検査やがんゲノムプロファイリング検査費用に加え、患者申出療養として実施された療養など、最新治療の保障に加えて早期発見・早期治療を支援する保障も提供します。

    さらに、2023年1月(予定)から新たに「アフラックの寄り添うがん相談サポート*」を設置し、がん患者とそのご家族の相談窓口となることで、一人ひとりの異なる悩みに寄り添い、適切なサービスをご紹介します。

    当社は「がんに苦しむ人々を経済的苦難から救いたい」という思いのもと、1974年の創業以来、がん保険を通して多くのお客様に安心をお届けするとともに、がん保険のパイオニアとして、最も長くがんと向き合い、最も多くのがんと闘う方々を応援してきました。当社は「生きる」を創るリーディングカンパニーへの飛躍に向け、がんにまつわる様々な社会的課題の解決に取り組むと同時に、企業価値のさらなる向上と持続的な成長を目指してまいります。

    ◇<「生きる」を創るがん保険 WINGS>の商品特長

    ■特徴1.最新治療の保障に加え、がんの早期発見・早期治療をサポートする保障の提供
    ①ポイント
    <「生きる」を創るがん保険 WINGS>では、<生きるためのがん保険 Days1 ALL-in>に、「がん特定治療保障特約」「がん要精検後精密検査保障特約」の新設特約を付加可能とし、「がん治療保障特約」「がん先進医療特約」の改定を行うことで、より充実した保障を提供することが可能となりました。

    ②新設・改定特約の保障内容
    a.がん治療保障特約【2022】(改定)
    保険期間「終身」を新たに加え、手術・放射線治療に対する支払限度を無制限に改定します。

    b.がん特定治療保障特約(新設)
    保険適用外の診療やがんゲノムプロファイリング検査を保障します。

    c.がん先進医療・患者申出療養特約(改定)
    「先進医療」に加え、「患者申出療養」の経済的負担も保障します。

    d.がん要精検後精密検査保障特約(新設)
    所定のがんの検診で「要精密検査」の判定を受けた後、精密検査を受けた場合に給付金を支払います。

    ■特徴2.がんに関する様々な問題、悩みの解消をサポートするサービスの提供
    ・ポイント
    豊富な経験と公的な専門資格を有した「アフラックのよりそうがん相談サポーター」が相談窓口となり、がん患者やご家族の悩みを傾聴し、状況に応じた各種サービスを案内することで、悩み・不安の解消をサポートします。

    これに伴い、すでに「ダックのがん治療相談サービス」で提供しているサービスは、「アフラックのよりそうがん相談サポート」から案内するサービスの一部になります。

    ■特徴3.より多くの方にご加入いただけるがん保険の実現
    ①ポイント
    がんに罹患されたことがある方は、これまでは、がん経験者向け専用商品でご加入可能な場合を除き、がん保険にご加入いただけませんでした。また、がんの疑いのある方も、がん保険のご加入が難しい場合がありました。

    ②特定疾病不担保の導入
    所定のがんにおける症状悪化のリスクが低い状態、もしくはそれらのがんの疑いの状態においては、該当のがん・上皮内新生物を不担保とすることにより、標準体保険料での引受を可能とします*。

    *告知内容等によっては特別保険料率での引受となる場合があります。

    ③対象となる疾病
    〇前立腺の悪性新生物・上皮内新生物

    〇甲状腺の悪性新生物・上皮内新生物

    〇子宮頚部の悪性新生物・上皮内新生物(異形成を含む)

    以上です。

↑翅を開いたアオハダトンボ・♂(5月撮影)。

 

日本生命、入院給一時金の給付上限を改定?日経報道。

8月5日の日本経済新聞朝刊に、日本生命の医療保障に関する記事がありました。

記事によりますと、

< 日本生命保険は9月26日から、入院給付金の一時金を最大40万円から30万円に引き下げる方針だ。新型コロナウイルスの流行が続く中、契約した直後に給付金の請求が届くなど不正が疑われる事例も生じているためだ。医療保険の引き受けも一部で見合わせた。感染第7波の請求が本格化するのを前に、同様の措置に踏み切る生命保険会社が増える可能性もある。>

とのことです。

【管理人の感想】
この記事を書いている時点(8月17日)で、日本生命保険はこの報道に関する公式コメントを発表していません。したがって、今回の報道が正式に決定した事実かどうかは不明です。

ただ、日本生命に限らず、弊社が代理店委託契約を締結している某外資系生保からも、逆選択を疑われる事例(自発的な申し込み。特定の保険商品の指定(比較検討の推奨を拒否)。特に医療保険の複数商品への申し込み。保険金・給付金の高額設定、高額な年収の申告等)が確認されていること等の情報が上がってきています。

また、保障開始直後に給付金(入院一時金)の請求があれば、当然保険会社は告知義務違反を疑い、医的調査を行います(これは新型コロナウイルス感染症に限った話ではありません)。

告知義務違反が確認されれば、当然契約は解除され給付金は一切支払われません。

告知義務違反がなくても、被保険者の収入に比べて著しく高額な給付金額の設定があったりすれば、保険会社は重大事由による契約解除を行います。

告知義務違反や申し込みの給付金額に不自然な点がなくとも、保障開始直後の入院一時金請求の発生率に不自然な点が認められれば、保険会社は入院一時金の上限額を引き下げることになるでしょう。

かつて、レーシック手術を受ける予定があるにもかかわらず医療保険に申し込み、保障開始直後に手術を受け、手術給付金を受け取って解約するという悪質な事例が多くの保険会社で発生したため、保険会社は手術給付金の保障内容を変更して、レーシック手術を手術給付金の支払事由から除外-ということがありました。

今後も悪質な事例が続けば、入院一時金の保障内容が改訂され、①入院給付金日額が1万円未満なら5倍または10倍のいずれか、②入院給付金が1万円を超える場合は5倍のみーといった内容になるかもしれません。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2022年8月5日朝刊-

【日本生命、入院給付金の上限下げへー一時金30万円に、コロナ対応】

日本生命保険は9月26日から、入院給付金の一時金を最大40万円から30万円に引き下げる方針だ。新型コロナウイルスの流行が続く中、契約した直後に給付金の請求が届くなど不正が疑われる事例も生じているためだ。医療保険の引き受けも一部で見合わせた。感染第7波の請求が本格化するのを前に、同様の措置に踏み切る生命保険会社が増える可能性もある。

コロナ禍で入院給付金の請求が相次ぎ、支払業務に支障が生じる事態になっている。制度の持続性を保ち、契約者間の公平感を確保するためにも給付金の減額に踏み切る必要があると判断した。

病気やけがで働けなくなった際の収入を補填する保険商品でも、1ヵ月あたりの一時金を最大20万円から10万円に下げる方向だ。

給付金を受け取ろうと、あえて医療保険などに入ろうとする人もいる。こうした不正を防ぐには保険の引受時により慎重を期す必要があると判断し、4日から契約を控える措置に乗り出した。

以上です。

↑、眠りについたツマキチョウ・♀(5月撮影)。

6月の新型コロナウイルス感染症に対する生保各社の入院給付金支払額、単月としては過去最高額を更新。

8月2日の日本経済新聞朝刊に、新型コロナウイルス感染症に対して生命保険各社が支払った、6月分の給付金支払額についての記事がありました。

記事によりますと、

< 新型コロナウイルスの感染者が相次ぐなか、生命保険会社による入院給付金の支払額が急増している。生命保険協会によれば、今年6月の支払額は640億円と単月として過去最高を更新した。契約者が保険会社に給付金を請求するのは感染から1~2ヵ月後とされる。

これから感染第7波の影響が顕在化してくると支払額は一段と膨らみそうだ。>

とのことです。

【管理人の感想】
これだけ給付金の支払額が増えれば、当然支払い査定にも大きな負担がかかります。

そのため、新型コロナウイルス感染症による入院給付金の支払い日数は、平均で5営業日以内となっている一方で、それ以外の傷病による給付金支払いには遅延が生じているという情報が保険会社から入ってきています。

ただ、保険会社職員・社員も営業担当者も速やかな給付金請求と支払いを実施すべく懸命に努力しておりますので、何卒ご理解いただきたいです。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2022年8月2日朝刊-

【生保の入院給付金、支払額最高-6月、コロナ影響】

新型コロナウイルスの感染者が相次ぐなか、生命保険会社による入院給付金の支払額が急増している。生命保険協会によれば、今年6月の支払額は640億円と単月として過去最高を更新した。契約者が保険会社に給付金を請求するのは感染から1~2ヵ月後とされる。

これから感染第7波の影響が顕在化してくると支払額は一段と膨らみそうだ。

入院給付金は各社が取り扱う医療保険につく保障で、病気やけがの治療で入院した場合に受け取れる。加盟42社の支払額を生保協会がこのほど取りまとめた。

最新の6月分では支払額が640億円と1年前の12倍に増えた。3月(403億円)から急増し、4ヵ月続けて最高額を更新している。大手の関係者は「年度初めに見込んでいた想定の支払額を上回って推移している」と話す。

これまでの累計の支払額は入院給付金で2893億円に上る。このうち実際に入院しなくても給付金を受け取れる「みなし入院」と呼ばれる措置の支払額は92%を占める。死亡保険金の支払額は累計で1455億円だった。

第7波の請求はこれから本格化するため、各社は人員を増やすなどの対応策を強化している。住友生命保険は給付金の支払いにあたる人員を先月より40人多い190人へ増やす。第一生命保険も状況を見ながら人員の拡充を県とするとしている。

以上です。

↑翅を休めるジャコウアゲハ・♂(5月撮影)。

新型コロナウイルス感染症による入院給付金の支払いを巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた令和4年1~3月の裁定概要集(PDF)に、新型コロナウイルス感染症による入院給付金の支払いを巡る裁定事案がありました。

裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
新型コロナウイルス感染症に罹患した際の、自滝療養機関の入院給付金が支払われなかったことを不服として、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
新型コロナウイルス感染症に罹患し、令和3年1月に宿泊施設で療養(療養①)し、その後、同年2月に療養(療養②)したため、令和2年10月に契約した医療保険に基づき入院給付金を請求したところ、療養②について、入院の必要性が認められないとして給付金が支払われなかった。しかし、募集人から、新型コロナウイルス感染症による自宅療養についても、入院給付金が支払われるとの誤説明を受けたことから、療養②の入院給付金を支払ってほしい。それが認められない場合は、既払込保険料を返還してほしい。

…この事案はすでに裁定が終了しています。

そういえば…公共放送のデータ連動放送で、新型コロナウイスる感染症による「みなし入院」に対する入院給付金の支払いや、「10万円を受け取ることができた」といったその具体的な受給額の体験談を取り扱っていました。

確かに、入院一時金特約といった特約を付加していたり、入院給付金を日額ではなく、一時金で受給する契約であったりすれば、そうしたまとまった金額を受給することが可能です。

ただし、新型コロナウイルス感染症による「みなし入院」についての取り扱いについては、保険会社が所定の要件を定めており、その要件に該当しなければ本事案同様、給付金は支払うことはできません。

【事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和4年1~3月裁定概要集・P14~15より転載)。

【事案2021-131】入院給付金支払等請求
・令和4年2月17日 裁定終了

<事案の概要>
新型コロナウイルス感染症に罹患した際の、自滝療養機関の入院給付金が支払われなかったことを不服として、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
新型コロナウイルス感染症に罹患し、令和3年1月に宿泊施設で療養(療養①)し、その後、同年2月に療養(療養②)したため、令和2年10月に契約した医療保険に基づき入院給付金を請求したところ、療養②について、入院の必要性が認められないとして給付金が支払われなかった。しかし、募集人から、新型コロナウイルス感染症による自宅療養についても、入院給付金が支払われるとの誤説明を受けたことから、療養②の入院給付金を支払ってほしい。それが認められない場合は、既払込保険料を返還してほしい。

<保険会社の主張>
以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)本契約では、入院の必要性があるが、医療機関の事情等により入院ができず、自宅や宿泊療養施設で療養した場合に限定して支払を行う運用をしているところ、申立人が通院していた病院や保健所の見解等からすれば、療養②については入院の必要性があったとは認められない。

(2)募集人に誤説明があったとは考えられない。

<裁定の概要>
1.裁定の概要
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、契約時の状況等を把握するため、申立人に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果
上記手続の結果、療養②の入院給付金の支払いは認められず、その他保険会社に指摘すべき特段の個別事情も見出せないことから、和解による解決の見込みがないと判断して、手続きを終了した。

以上です。

↑5月上旬に撮影したアサマイチモンジ・♂。