入院給付金等の支払いを巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた、令和3年7~9月の裁定概要集(PDF)に、入院給付金等の支払いを巡る裁定事案がありました。

裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
保険期間満了を理由に、入院給付金等が支払われなかったことを不服として、給付金の支払を求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
平成30年12月に前立腺の生検のために入院し、その後前立腺悪性腫瘍のため、平成31年3月から4月まで入院して手術を受けたことから、平成18年12月に契約した終身保険の入院特約等にもとづき入院給付金等を請求したところ、特約の保険期間満了後の入院・手術であることなどを理由として、給付金等が支払われなかった。しかし、以下の理由により、入院給付金等を支払ってほしい。

(1)約款では、生検で得られない場合にはほかの診断確定も認めることがあると記載されている。

また、生検による診断結果日ががんの発症日になるとの説明は受けていない。

(2)自分の場合は、生検によるがんの診断確定より90日前に、前立腺がんが発症していると考えるべきである。

(3)保険期間満了前に前立腺がんに罹患しているのであるから、以降の入院、手術等の全てについて、保険会社は給付金を支払うべきである。

…この事案は既に裁定が終了しています。

<保険会社の主張>によると、主契約の保険料払込期間までに、特約保険料の払い込みがなかったことで三大疾病保障定期保険特約は保険期間満了となり、その他の特約も約款にもとづいて終了となったようです。

特約の保障がすべて終了となった後に前立腺がんに罹患したのですから、残念ながら支払うことはできませんね。

【裁定事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和3年7~9月裁定概要集・P29~30より転載)。

[事案2020-258]入院給付金等支払請求
・令和3年7月7日 裁定終了

<事案の概要>
保険期間満了を理由に、入院給付金等が支払われなかったことを不服として、給付金の支払を求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
平成30年12月に前立腺の生検のために入院し、その後前立腺悪性腫瘍のため、平成31年3月から4月まで入院して手術を受けたことから、平成18年12月に契約した終身保険の入院特約等にもとづき入院給付金等を請求したところ、特約の保険期間満了後の入院・手術であることなどを理由として、給付金等が支払われなかった。しかし、以下の理由により、入院給付金等を支払ってほしい。

(1)約款では、生検で得られない場合にはほかの診断確定も認めることがあると記載されている。

また、生検による診断結果日ががんの発症日になるとの説明は受けていない。

(2)自分の場合は、生検によるがんの診断確定より90日前に、前立腺がんが発症していると考えるべきである。

(3)保険期間満了前に前立腺がんに罹患しているのであるから、以降の入院、手術等の全てについて、保険会社は給付金を支払うべきである。

<保険会社の主張>
以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)主契約の保険料払込期間(平成30年11月)までに特約保険料の払込みがなかったことから、3大疾病保障定期保険特約は同日をもって保険期間満了で終了し、その他の特約についても本契約の約款上、同日に終了した。

(2)申立人の入院および手術は、いずれも「特約の保険期間中」の入院および手術には該当しないため、給付金の支払事由には該当しない。

<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、本契約の保険期間満了時の状況等を把握するため、申立人ならびに担当者および上席者に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果
上記手続の結果、入院給付金等の支払いは認められず、その他保険会社に指摘すべき特段の個別事情も見出せないことから、和解による解決の見込みがないと判断して、手続を終了した。

以上です。

道端の韮の花粉を食べるアシグロツユムシ・♂(昨年8月撮影)。

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