リビングニーズ特約にもとづく特定状態保険金の支払いを巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた令和3年10~12月の裁定概要集(PDF)に、リビングニーズ特約にもとづく特定状態保険金の支払いを巡る裁定事案がありました。

裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
余命6ヵ月以内と診断されたにもかかわらず、リビング・ニーズ特約にもとづく特定状態保険金が支払われないことを不服として、保険金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
胃がんにより入院し、平成25年7月に余命6ヵ月である旨宣告され、その後、令和3年2月にリビング・ニーズ特約にもとづき特定状態保険金を請求したが、支払事由である「被保険者が余命6ヵ月と判断される場合」に該当しないとして、支払われなかった。しかし、以下の理由により、特定状態保険金を支払ってほしい。

(1)診断書に記載されているとおり、平成25年7月に余命6ヵ月と診断されている。

(2)保険会社から、特定状態保険金の請求ができることを案内されなかった。

…この事案はすでに裁定が終了しています。

医師から「余命6ヵ月以内」と診断されたにもかかわらず、なぜ特定状態保険金が支払われなかったのか?

実は、特定状態保険金は医師が余命6ヵ月以内と判断すればしはらわれるというものではありません。

「余命6ヵ月以内」とは、「日本で一般に認められた医療による治療を行っても余命が6ヵ月以内である」ことを意味しています。そしてその判断は、医師が記入した診断書や保険金の請求書類にもとづいて保険会社が行います。

つまり、申立人の状態は、支払事由の定義に該当していなかったため、保険金が支払われなかったのです。

【事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和3年10~12月裁定概要集・P55~56より転載)。

[事案2021-104] 特定状態保険金支払請求
・令和3年11月11日 裁定終了

<事案の概要>
余命6ヵ月以内と診断されたにもかかわらず、リビング・ニーズ特約にもとづく特定状態保険金が支払われないことを不服として、保険金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
胃がんにより入院し、平成25年7月に余命6ヵ月である旨宣告され、その後、令和3年2月にリビング・ニーズ特約にもとづき特定状態保険金を請求したが、支払事由である「被保険者が余命6ヵ月と判断される場合」に該当しないとして、支払われなかった。しかし、以下の理由により、特定状態保険金を支払ってほしい。

(1)診断書に記載されているとおり、平成25年7月に余命6ヵ月と診断されている。

(2)保険会社から、特定状態保険金の請求ができることを案内されなかった。

<保険会社の主張>
以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)特定状態保険金の請求時点では、被保険者の余命は6ヵ月以内ではない。

(2)診断書等の内容によれば、日本で一般に認められた医療による診療を行った場合には、「被保険者の余命は6ヵ月以内と判断される場合」には該当しない。

<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会では、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、申立人の主張内容等を把握するため、申立人に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果
上記手続きの結果、リビング・ニーズ特約にもとづく特定状態保険金の支払事由に該当するとは認められず、その他保険会社に指摘すべき特段の個別事情も見出せないことから、和解による解決の見込みがないと判断して、手続きを終了した。

以上です。

新型コロナウイルス感染症への入院給付金の請求が急増。支払の遅延も生じる。

4月19日の日本経済新聞朝刊に、新型コロナウイルス感染症への入院給付金支払の動向に関する記事がありました。

記事によりますと、

< 新型コロナウイルスの第6波による感染拡大を受け、生命保険会社に対する入院給付金の請求が急増している。明治安田生命保険では直近の支払件数が第5波の影響を受けた昨年秋の約3倍に膨らんだ。査定の担当者を増やしても人手が追い付かず、5営業日以内とする支払いが遅れ始めた生保もある。重症化の懸念が小さくなる中、自宅で療養する軽症者に「みなし入院」として給付金を支払う是非を問う声も出始めている。>

とのことです。

【管理人の感想】
新型コロナウイルス感染症に伴う入院給付金の請求は各社とも増加しており、請求受付にもかなりの負担がかかっています。できる限り、速やかに請求を受け付けて書類を発送するために各社とも懸命に対応しており、頭が下がります。

なお保険商品は、今回のようなパンデミックで各種保険金、給付金の支払いが急増しても支払うべきものを支払い、保険財務が悪化することがないよう設定されています。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2022年4月19日朝刊-

【入院保険金「第6波」で急増-明治安田、第5波の3倍に。人繰り苦慮で給付遅れも】
新型コロナウイルスの第6波による感染拡大を受け、生命保険会社に対する入院給付金の請求が急増している。明治安田生命保険では直近の支払件数が第5波の影響を受けた昨年秋の約3倍に膨らんだ。査定の担当者を増やしても人手が追い付かず、5営業日以内とする支払いが遅れ始めた生保もある。重症化の懸念が小さくなる中、自宅で療養する軽症者に「みなし入院」として給付金を支払う是非を問う声も出始めている。

病気やけがの治療で入院した患者に支払われる入院給付金は、生保が取り扱う医療保険につく保障だ。実際の入院から保険会社へ請求が届くまで時間差がある。現在は第6波で1日当たりの感染者が10万人を超えた2月以降の請求に対し、保険会社が書類の審査や支払いの対応に追われている。

明治安田生命では第5波の影響で支払いが増えた昨年10月に比べ、今年3月の支払い件数は約3倍の2万5000件程度に増えたという。住友生命保険も3月の請求が前月比で3倍以上に膨らんでおり、ほかの生保でも同じような状況だ。

保険金・給付金を支払うには、被保険者の診断書など書類を審査する必要がある。各社は支払いに備えて日ごろから一定の人員を抱えているが、想定を上回る請求で体制の見直しを急いでいる。

日本生命保険は他部署などからの応援で、平均の2倍近い300人規模に拡充した。別の大手も3割程度増やしたといい、「感染の第7波に備えてさらに人員の増強を検討しなければならない」(幹部)。

人繰りに苦慮する中、支払いが遅れるケースも出始めた。保険会社と契約者の約束を記載する約款では一般的に、請求が届いてから5営業日以内に保険金・給付金を支払うと定めている。これを過ぎると年3%の遅延利息を上乗せする必要がある。

ある大手生保の幹部は「支払の急増で支払いに5日以上を要する場合が増えてきた」と明かす。住友生命も「平時より遅れが多くなっているのは事実」と認める。日本生命は4月半ばから、支払い遅れが生じる可能性があることを一部の契約者に通知し始めた。

「入院給付金」と銘打っているが、実際に入院した患者からの請求は2割前後にとどまる。残りは新型コロナウイルスの陽性と要請と判定されても、自宅やホテルでの療養を余儀なくされた「みなし入院」が占める。医師に入院を勧められても、医療機関の逼迫で希望がかなわない人を実際に入院したとみなして給付金を支払う措置だ。

生命保険協会でも「宿泊・自宅療養証明書」を用意し、自治体や保健所の担当者による署名で保険金を申請できるよう手続きの簡素化を進めてきた。同協会によると、今年2月末時点の支払額は加盟42社の合計で580億円弱にのぼる。

第6波の中心であるオミクロン株は感染力が強い一方、重症化率は従来株より低い傾向にあることが分かっている。症状が軽く、数日で職場などに復帰できるような感染者でも給付を受けられる。ある生保首脳は「(季節性のインフルエンザでも)支払いを受けられない契約者が不公平感を強めるのではないか」と違和感を口にする。

それでも毒性の強い変異株の新型コロナウイルスがこれから流行しないとも限らない。15日に記者会見した生保協の高田幸徳会長(住友生命保険社長)は「(現段階でみなし入院中の)給付金としてお支払いするのがコンセンサスではないか」と措置の見直しに否定的な考えを示す。

新型コロナウイルスの感染症法上の分類を「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」へ下げることについては議論がある。当面はみなし入院となる契約者・被保険者への支払いは続く。不公平さの解消と社会的な要請のはざまに揺れる生保の苦悩が強まっている。

以上です。

↑3月下旬に撮影した染井吉野。

保険金等支払い時の備え。いざというときは家族が請求手続き。

4月16日の日本経済新聞朝刊に、生命保険の指定代理請求制度など、契約者・被保険者本人以外の家族が契約内容の照会や、保険金等の支払い請求ができる制度に関する記事がありました。

【管理人の感想】
記事が取り上げているのは、家族情報登録制度、指定代理請求制度、保険契約者代理制度の3つです。

このうち、家族情報登録制度は契約内容の照会ができる制度で、指定代理請求制度と保険契約者代理制度は家族が契約者・被保険者本人に代わって、保険金等の請求ができる制度です。

また、保険契約者代理制度は契約者本人に代わって保険契約の解約もできる制度です。

記事でも書かれていますが、こうした制度は契約者・被保険者本人に正常な判断力があるうちに保険会社に申し出て制度が利用できるようにしておくことが大事です。

指定代理請求制度は、医療保険やがん保険、リビングニーズ特約等で契約前に約款で説明を受け、契約締結時に付加しておいた方も多いかと存じます。どのようなときに指定代理請求が可能なのかは約款に記載されていますので、定期的に確認してください。

家族情報登録制度は、契約後に保険会社から書面が送られてきて登録を申し出たという方も多いかと存じます。管理人は母の契約でこの手続きを行いました。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2022年4月16日朝刊-

【認知症、家族が保険手続き】
「せっかく加入しても、保険金の請求ができなければ意味がない」。こう話すのはファイナンシャルプランナー(FP)の清水香氏。80代の両親がそれぞれ契約する医療保険で、3月に代理人登録をしてもらったという。両親は今のところ健康状態に大きな問題はないが、認知症などを今後患って保険金を請求できなくなるといった事態に備えるためだ。

保険に加入する高齢者は増えている。生命保険文化センターの調査では、医療保険や医療特約に加入する80歳以上の世帯は2021年に8割超と18年の6~7割から増加した。「80代でも契約できる終身タイプの医療保険が増えたことが影響している」と清水氏は語る。

一方、厚生労働省の調査によると認知症の患者は25年で推計約700万人と65歳以上の約5人に1人を占める見通し。何らかの保険に加入しながら認知症になる人も多くなりそうだ。

ただし保険会社は個人情報保護の観点から、原則として契約者以外に契約の有無や内容を開示しない。保険の手続きも契約者や被保険者本人がするか、成年後見制度を利用する場合に限られる。このため契約者などが認知症になると、家族が保険の存在や内容を知ることが難しくなったり、必要な手続きができなかったりする恐れがある。

そこで選択肢の一つになるのが清水氏も利用する「指定代理請求制度」だ。病気やけがなどで被保険者の判断能力がなくなった際に備えて代理人を決めておけば※、万一の際に被保険者に代わって保険金の請求と請求に必要な情報を照合することができる。

※管理人補足:指定代理請求制度は「被保険者の判断能力がなくなった」ということに限った制度ではありません。病名の告知がされていないなど保険会社が認めるやむを得ない事情に該当すれば利用できる制度です。詳細は約款で確認してください。

指定代理請求制度と並んで多くの保険会社が導入しているのが「家族情報登録制度」。事前に登録した家族などが契約内容を教えてもらえる。契約者の判断能力が十分で、登録する家族の同意があることなどが条件となる。18年に導入したかんぽ生命保険は「高齢の新規契約者のほとんどが利用する」(契約サービス部)という。

生命保険の保険金は請求しないと受け取れないため、契約があることを知っていれば請求漏れを防ぐことができる。入院などで治療費がかかっても給付金を代理で請求することは基本的にできないが、各社が個別のケースに応じて対応することが多いため問い合わせてみるといいだろう。

大手生保の一部がここ数年で導入し始めた「保険契約者代理制度」は、あらかじめ登録した家族などが代理人として契約内容の照会や住所変更、解約などをすることができる。22年4月に金融機関の窓口販売商品から同制度を始めた日本生命保険では「高齢の親などが加入する保険の手続きを代行したいといった問い合わせが増加傾向にあることに対応した」(お客様サービス部)と説明する。

同社の制度で登録できるのは主に3親等以内の親族で、契約者本人が家族を1人指定し、氏名や連絡先などを登録する。手続きが完了すると登録家族にも通知を送る。日生のほか住友生命保険や朝日生命保険などが導入している。

家族情報登録、指定代理請求、保険契約者代理制度はいずれも契約者や被保険者に判断能力があるうちに手続きをする必要がある。もし手続きをする前に認知症になったり、亡くなったりしたりしたらどうすればいいのか。

こうした場合に家族の保険契約の有無を一括で確認できるのが「生命保険契約紹介制度」。生命保険協会が21年7月から運営している。法定相続人や3親等以内の親族などが利用でき、紹介する際には戸籍や診断書等の書類を提出する。利用料が1回3000円(税込み)かかるが、生保42社に契約があるかどうかがわかる。

契約がある場合に家族などが保険会社に連絡すれば個別で対応する。ただし手続きには時間がかかるため、「加入している保険の種類や受取人、保険証券の保管場所などを本人と家族が事前に共有することが大切」(FPの田中香津奈氏)という。

損害保険でも生保と同様の仕組みを設ける例がある。東京海上日動火災保険の「親族連絡先制度」は、配偶者や2親等以内の親族を登録すれば契約者に代わって契約内容を確認できる。損害保険ジャパンは被保険者に面会などで確認してから配偶者などに代理請求を認める場合がある。「被保険者が手続できない場合の代理請求については商品の約款に記載するのが一般的。まず約款を確認したい」と日本損害保険協会では話す。

以上です。

↑、3月に撮影した大島桜。

コロナ保障特化の保険商品の誤算。収支悪化、短期間で新規引き受け停止、モラルリスクの疑い。

4月12日の日本経済新聞朝刊に、新型コロナウイルス感染症に特化した保険商品などの動向に関する記事がありました。

記事によりますと、

< 新型コロナウイルス禍で需要が高まったコロナ保険が苦境に陥っている。保険スタートアップのジャストインケース(東京・中央)が既契約の入院給付金を従来の1割に減らす異例の対応に踏み切ったほか、大手保険会社による販売停止や保険料引き上げが相次ぐ。想定以上に感染者が膨らみ、保険収支が悪化したためだ。ニーズをとらえた商品投入を急いだものの、需要予測など商品設計が甘くなり、不十分な金融商品になった可能性がある。>

とのことです。

【管理人の感想】
収支の悪化による保障内容変更、モラルリスクの疑い、短期間で新規契約の引き受け停止、保険料引き上げーと、新型コロナウイルス感染症に特化した、あるいは重点を置いた保険商品を投入した保険会社に誤算があったようです。

保守的に基礎率を設定したはずなのに、短期間での引き受け停止などの事態を招いたとなると、新型感染症に特化した、あるいは保障の重点を置いた保険商品は保険契約として成立させることが困難なのかもしれません。

ただ、モラルリスクの疑いは、保険会社の考えが甘すぎたとしか言いようがありません。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2022年4月12日朝刊-

【コロナ保険、際立つ苦境-給付削減や新規契約停止も】
新型コロナウイルス禍で需要が高まったコロナ保険が苦境に陥っている。保険スタートアップのジャストインケース(東京・中央)が既契約の入院給付金を従来の1割に減らす異例の対応に踏み切ったほか、大手保険会社による販売停止や保険料引き上げが相次ぐ。想定以上に感染者が膨らみ、保険収支が悪化したためだ。ニーズをとらえた商品投入を急いだものの、需要予測など商品設計が甘くなり、不十分な金融商品になった可能性がある。

「大変申し訳ございません。当社の予測が甘かったことに尽きます」。ジャストインケースの畑和寿也社長は6日、ホームページ上でコメントを出した。7日以降に入院を始めた契約者への入院給付金を従来の1割に引き下げたことへの謝罪だ。

具体的にはコロナ罹患時の入院の定義を大きく2つに分ける。自宅やホテルでの療養である「みなし入院」の場合、入院給付金は従来の1割になる。一方、医療機関で1泊2日以上の入院をした場合は1割に減らした入院給付金とは別の9割分を見舞金として支払う。療養場所によって給付金に格差をつけた。

保障内容を変えたのは、保険金請求の殺到で保険収支が大幅に悪化したためだ。3月の保険料収入が3000万円程度に対し、保険金支払いは1億8000万円程度になった模様。2月に1日10万人に迫る勢いで増えた国内のコロナ感染のスピードを読み誤った。3月10日までは加入から2週間の免責期間を設けておらず、コロナに感染してから保険申請した不正加入も発生したとみられる。

ジャストインケースは約款に「保険期間中に当社の収支が悪化し、保険料の計算基礎に著しく影響を及ぼす事象が発生した場合は、保険期間中に保険料の増額または保険金額の減額をすることがある」と記載している。3月に新規契約を停止していたが、それでも収支悪化に歯止めがかからず、契約済みの加入者に訴求して保障内容を引き下げる異例の措置に踏み切った。

契約者からは「過去の保険料を返金しないのか」などの声が上がる。ジャストインケースは顧客サポートの人員を3人から9人に増やし、4月に解約を申し出た契約者については4月分の保険料を返金する方向だ。金融庁は「顧客対応を徹底してほしい」(幹部)という。

ジャストインケースは複数の契約者が保険料を出し合ってプールし、そこから保険金を支払うピア・ツー・ピア(P2P)保険を作るのを得意として来た。P2Pのコロナ保険なら保険料の範囲内でしか保険金を払わない仕組みにできたはず。だが、P2P保険として開発するには金融庁との折衝などに時間がかかる。市場への投入を優先し、従来の少額短期保険として発売したことが失敗の一因となった。

需要予測を見誤ったのは大手も同じだ。日本生命保険傘下の大樹生命は2月4日、販売開始から約1ヵゲッツハンデ新型コロナウイルを含む感染症で入院すると10万円の一時金を受け取れる保険「おまもリーフ」の新規販売を停止した。販売再開は未定だ。

損害保険ジャパンがスマートフォン決済「Pay Pay(ペイペイ)」のアプリ内で販売するコロナ保険は2月10日から3ヵ月分を3倍の1500円に値上げした。同社は「感染の急拡大や保険金支払い増によっては、新規契約者の保険料をさらに上げる可能性がある」と指摘する。

コロナ保険はどうすれば需要と供給のバランスをとれたのか。参考になるのが、第一生命保険グループの第一スマート少額短期保険の商品設計だ。同社は月々の感染状況に応じて保険料が変動する「ダイナミックプライシング」を導入している。21年4月時点では890~2270円だったが、22年4月時点では870~2万円と価格幅が広がった。価格を柔軟に動かすことで採算を管理し、P2P保険に近い仕組みを実現した。

実は新型コロナが理由の入院や投薬、検査費用は平均的な所得なら全額公的負担となる。にもかかわらず、コロナ保険を保険各社が競って販売したのは、保険離れが顕著な若年層など新たな顧客層を開拓できるとの思惑があった。本当に必要な保険は何なのか。コロナ保険騒動は保険各社にこうした問いを突き付けている。

以上です。

↑、3月に撮影した彼岸桜。

がん保険の手術給付金の支払を巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた令和3年10~12月の裁定概要集(PDF)に、がん保険の手術給付金の支払を巡る裁定事案がありました。

裁定概要集によりますと、事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
約款の支払事由に該当しないことを理由に、手術給付金が支払われないことを不服として、給付金の支払を求めて申立てがあったもの。

<申立人の主張>
乳がんに対する電磁波温熱療法を受けたことから、平成17年11月及び平成19年2月に契約した2件のがん保険にもとづき、手術給付金を請求したところ、約款の支払事由に該当しないとして支払われなかったが、以下の理由により、給付金を今後も継続的に支払ってほしい。

(1)保険会社は、「画像診断の結果のみ」で、約款非該当の判断をしているが、本疾病は再発進行がんで、がんは治っておらず、抗がん剤の治療は完了したのではなく、あくまで休薬しているのみであり、がんがcCR(触診しても腫瘤が触れず、画像検査でも腫瘍の消失が確認された状態のこと)の状態を保っているのも、本療法を続けていることが功を奏しているからである。

(2)がん細胞自体が消失してはおらず、がんがあるであろう場所については、医師もその旨理解している。

…この事案は既に和解が成立しています。

電磁波温熱療法とは、がんが熱に弱いことを利用した治療法で、がん温熱治療装置を用いて体外から癌病変を42~43度に加熱します。加熱された腫瘍は死滅します(血管を拡張させて熱を逃がすことができないため)。

この療法で免疫力が高まる効果が報告されています。また、この療法は放射線治療や化学療法の効果を高めることもでき、放射線治療や化学療法との併用でさらに効果が高まるそうです。

さて、申立人の治療内容ですが、どうも腫瘍を消滅・縮小させるための治療ではないようです。そうなると、約款に定める「治療を直接の目的とする手術」には該当しないため、保険会社は支払うことができないですね。

【事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和3年10~12月裁定概要集・P37~38より転載)。

[事案2020-345]手術給付金支払請求
・令和3年11月10日 和解成立

<事案の概要>
約款の支払事由に該当しないことを理由に、手術給付金が支払われないことを不服として、給付金の支払を求めて申立てがあったもの。

<申立人の主張>
乳がんに対する電磁波温熱療法を受けたことから、平成17年11月及び平成19年2月に契約した2件のがん保険にもとづき、手術給付金を請求したところ、約款の支払事由に該当しないとして支払われなかったが、以下の理由により、給付金を今後も継続的に支払ってほしい。

(1)保険会社は、「画像診断の結果のみ」で、約款非該当の判断をしているが、本疾病は再発進行がんで、がんは治っておらず、抗がん剤の治療は完了したのではなく、あくまで休薬しているのみであり、がんがcCR(触診しても腫瘤が触れず、画像検査でも腫瘍の消失が確認された状態のこと)の状態を保っているのも、本療法を続けていることが功を奏しているからである。

(2)がん細胞自体が消失してはおらず、がんがあるであろう場所については、医師もその旨理解している。

<保険会社の主張>
以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)申立人には現在がんの再発や転移はなく、電磁波温熱療法は、再発予防を目的としたものにすぎず、約款の支払事由(治療を直接の目的とする手術)を充足するものではない。

(2)当社は、「画像診断のみ」で約款非該当とは判断していない。

<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、申立人の主張等を把握するため、申立人に事情聴取を行った。また、独自に外部の専門医の意見を求め医学的判断の参考にした。

2.裁定結果
上記手続きの結果、手術給付金の支払は認められないが、本件は和解により解決を図るのが相当であると判断し、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、手続きを終了した。

以上です。

↑、染井吉野で吸蜜中のヨコヅナサシガメの幼虫(3月撮影)。

アフラックの第3四半期業績。

2月14日、アフラック生命保険はHPにて、第3四半期業績を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。

  • 2/14・ニュースリリース 2021年度第3四半期報告(PDF)

    【管理人の感想】
    1.保有契約は減少続く

    個人保険+個人年金保険の保有契約件数は、前年同期末比で減少していました。また、がん保険と医療保険の保有契約件数も前年同期末比で減少していました。

    新契約件数では改善傾向がみられるものの、保有契約件数を回復させるまでには至っていないことが伺えます。

    2.新契約は医療保険がけん引
    新契約件数は、がん保険は前年年度同期比98.7%と伸びなかったものの、医療保険が前年同期比128.8%と二桁の増加でした。このこともあって、個人保険+個人年金保険の新契約件数は104.9%と今期も改善傾向がみられました。

    【主要業績の内容】
    以下、アフラックの主要業績の内容です(上記ニュースリリースより抜粋・転載)。

    〇保有契約件数 ( )内は前年度実績
    ・個人保険…2349万件 (2392万7000件)

    ・個人年金保険…32万5000件 (32万7000件)

    ・個人保険+個人年金保険…2381万5000件 (2425万5000件)

    うちがん保険…1508万9000件 (1539万7000件)

    うち医療保険…578万9000件 (587万4000件)

    〇新契約件数
    ・個人保険…61万6000件 前年同期比104.9%

    うちがん保険…37万件 前年同期比92.3%

    うち医療保険…18万9000件 前年同期比128.8%

    〇年換算保険料
    1)保有契約 ( )内は前年度実績

    ・個人保険…1兆2763億円 (1兆3030億円)

    ・個人年金保険…894億円 (883億円)

    ・個人保険+個人年金保険…1兆3657億円 (1兆3913億円)

    うち医療保障・生前給付保障等…1兆336億円 (1兆524億円)

    2)新契約
    ・個人保険…365億円 前年同期比112.7%

    ・個人保険+個人年金保険…365億円 前年同期比112.7%

    うち医療保障・生前給付保障等…332億円 前年同期比113.9%

    〇保険料等収入、保険金等支払金、四半期純利益
    ・保険料等収入…9916億円 前年同期比96.5%

    ・保険金等支払金…5990億円

    ・四半期純利益…1898億円 前年同期比114.8%

    〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度数値
    ・基礎利益…2698億円 前年同期比110.3%

    ・ソルベンシー・マージン比率…1006.2% (959.8%)

    以上です。

↑、道端の小栴檀草で眠るヤマトシジミ(3月撮影)。

 

オリックス生命の第3四半期業績。

2月14日、オリックス生命保険はHPにて、2021年度第3四半期業績を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。

  • 2/14・プレスリリース 2021年度第3四半期報告(PDF)

    【管理人の感想】
    1.保有契約は堅調に増加

    個人保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料はいずれも前年同期末比で増加していました。

    また、医療保障・生前給付保障等の保有契約年換算保険料は、前年同期末比でこちらも増加していました。

    今季も保有契約は堅調に増加したことがうかがえます。

    2.新契約は大幅減
    個人保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は前年同期比で68.8%、56%、68.9%と大幅減でした。米ドル建終身保険の料率改定前における「駆け込み契約」の反動もあり、死亡保障の新契約が低迷したことがうかがえます。

    また、医療保障・生前給付保障等の新契約年換算保険料は、前年同期比で59.1%とこちらも大幅減でした。

    死亡保障・第三分野とも新契約が不調だったことがうかがえます。

    【主要業績の内容】
    以下、オリックス生命の主要業績の内容です(上記プレスリリースより抜粋・転載)。

    〇保有契約 ( )内は前年度実績
    1)件数

    ・個人保険…486万1000件 (473万4000件)

    ・個人年金保険…9万9000件 (10万9000件)

    2)契約高
    ・個人保険…14兆1738億円 (13兆9266億円)

    ・個人年金保険…3383億円 (4085億円)

    ・団体保険…7300億円 (6764億円)

    〇新契約
    1)件数

    ・個人保険…24万9000件 前年同期比68.8%

    2)契約高
    ・個人保険…7705億円 前年同期比56%

    〇年換算保険料
    1)保有契約 ( )内は前年度実績

    ・個人保険…3285億円 (3141億円)

    ・個人年金保険…440億円 (467億円)

    ・個人保険+個人年金保険…3726億円 (3608億円)

    うち医療保障・生前給付保障等…2110億円 (2023億円)

    2)新契約
    ・個人保険…216億円 前年同期比68.9%

    ・個人保険+個人年金保険…216億円 前年同期比68.9%

    うち医療保障・生前給付保障等…134億円 前年同期比59.1%

    〇保険料等収入、保険金等支払金、当期純利益 ( )内は前年度実績。▲はマイナス
    ・保険料等収入…3268億円 前年同期比85.4%

    ・保険金等支払金…1850億円 前年同期比109.4%

    ・当期純利益…▲34億円 (▲93億円)

    〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度実績および数値。▲はマイナス
    ・基礎利益…▲1億円 (▲157億円)

    ・ソルベンシー・マージン比率…1396.4% (1439.4%)

    以上です。

 

↑フキノトウで吸蜜するモンキチョウ(3月撮影)。

 

ソニー生命の第3四半期業績。

2月16日、ソニー生命保険はHPにて2021年度第3四半期業績を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。

  • 2/16・ニュースリリース 2021年度第3四半期業績のご報告(PDF)

    【管理人の感想】
    1.保有契約は堅調に増加

    個人保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料は前年同期末比で101%、104.7%、102.5%といずれも増加していました。

    また、個人年金保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料は前年同期末比で151.1%、153.2%、168.9%といずれも二桁の増加でした。

    医療保障・生前給付保障等の保有契約年換算保険料は、前年同期末比で102.4%とこちらも増加していました。

    ソニーライフ・ウィズ生命保険の吸収合併を反映したことも含め、今期も保有契約が堅調に増加したことが伺えます。

    2.新契約も順調に増加
    個人保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は前年同期比で111.4%、133%、146.1%といずれも二桁の増加でした。

    個人年金保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は前年同期比で177.9%、176.2%、181.%とこちらも二桁の増加でした。変額年金保険が好調だったものと思われます。

    医療保障・生前給付保障等の新契約年換算保険料は、前年同期比で120.7%とこちらも二桁の増加でした。

    新契約も順調に増加したことが伺えます。

    【主要業績の内容】
    以下、ソニー生命の主要業績の内容です(上記ニュースリリースより抜粋・転載)。

    〇保有契約
    1)件数

    ・個人保険…785万8000件 前年同期末比101%

    ・個人年金保険…80万2000件 前年同期末比151.1%

    ・個人保険+個人年金保険…866万1000件 前年同期末比104.2%

    2)契約高
    ・個人保険…51兆7253億円 前年同期末比104.7%

    ・個人年金保険…4兆9103億円 前年同期末比153.2%

    ・個人保険+個人年金保険…56兆6357億円 前年同期末比107.6%

    ・団体保険…1兆5620億円 前年同期末比93.6%

    ・団体年金保険…55億円 前年同期末比84.8%

    〇新契約
    1)件数

    ・個人保険…31万2000件 前年同期比111.4%

    ・個人年金保険…15万4000件 前年同期比177.9%

    ・個人保険+個人年金保険…46万6000件 前年同期比127.1%

    2)契約高
    ・個人保険…3兆9287億円 前年同期比133%

    ・個人年金保険…1兆383億円 前年同期比176.2%

    ・個人保険+個人年金保険…4兆9671億円 前年同期比140.2%

    ・団体保険…64億円 前年同期比149.2%

    〇年換算保険料
    1)保有契約

    ・個人保険…8870億円 前年同期末比1037.%

    ・個人年金保険…1476億円 前年同期末比180.1%

    ・個人保険+個人年金保険…1兆346億円 前年同期末比110.4%

    うち医療保障・生前給付保障等…2120億円 前年同期末比102.4%

    2)新契約
    ・個人保険…543億円 前年同期比146.1%

    ・個人年金保険…240億円 前年同期比181.1%

    ・個人保険+個人年金保険…783億円 前年同期比155.3%

    うち医療保障・生前給付保障等…97億円 前年同期比120.7%

    〇保険料等収入、保険金等支払金、経常利益、四半期純利益
    ・保険料等収入…1兆193億円 前年同期比115.6%

    ・保険金等支払金…5085億円 前年同期比132.4%

    ・経常利益…368億円 前年同期比69.2%

    ・四半期純利益…93億円 前年同期比25.6%

    〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度数値
    ・基礎利益…1134億円 107.4%

    ・ソルベンシー・マージン比率…2313.1% (2296.3%)

    以上です。

↑成虫越冬から目覚めたルリタテハ(3月撮影)。

 

国税庁が保険商品の審査に参加?日経報道。

2月10日の日本経済新聞・朝刊に、金融庁が実施している保険商品の審査に関する記事がありました。

記事によりますと、

< 金融庁と国税庁は行き過ぎた節税が問題となってきた「節税保険」に歯止めをかけるためにタッグを組む。両庁が協力して生命保険会社が設計した商品の内容を審査するほか、現場での募集の実態も調べる。市場規模が一時8000億円超に膨れ、貴重な収益源を失いたくない生保の対応は鈍かった。一方、同保険を認可してきた金融庁にも責任の一端がある。審査体制を改めることで、節税保険の抜け道を防ぐ狙いがある。>

とのことです。

【管理人の感想】
まず、「節税保険」などというものは存在しません。こうした誤解を招く表現で記事を書かなないでいただきたいものです。

保険商品の審査業務に国税庁が加わって、保険本来の役割から逸脱していないかどうかを助言するようですが、保険料の取り扱いに関することであれば、現状の仕組みで十分ではないかと思います。

募集の実態調査であれば、それこそ金融庁だけで十分でしょう。募集の現場にも国税庁まで加入させるようですが、大きなお世話です。適切な募集云々というのであれば、銀行窓販の規律を健全な状態すべきでしょう。

生保各社が国税庁と金融庁から本気で怒られることになった、保険料を全額損金算入できた逓増定期保険に限らず、法人契約の保険商品に関して、実効税率を反映した返戻率の高さを競うなどして、保障の提供という本来の役割から逸脱、あるはそう受け取られかねない契約を獲得してきたことは事実です。

しかし、近年の通達変更や法人向け商品の提案時に手交と説明が義務付けられた資料(保険による節税効果はないと明言)などによって、いわゆる「節税効果」なるものをPRすることはできなくなっています。

特に通達変更の影響は大きく、某外資系生保では優秀な人材が他社に移ったり、その代理店が廃業したりしたという噂まであったほどです。

医療保険やがん保険といった第三分野保険の法人契約も、保険料の全額損金算入について一定の制限がかけられていますから、以前のような募集はかなり難しい状況です。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2022年2月10日朝刊-

【節税保険 行き過ぎに歯止め】
金融庁と国税庁は行き過ぎた節税が問題となってきた「節税保険」に歯止めをかけるためにタッグを組む。両庁が協力して生命保険会社が設計した商品の内容を審査するほか、現場での募集の実態も調べる。市場規模が一時8000億円超に膨れ、貴重な収益源を失いたくない生保の対応は鈍かった。一方、同保険を認可してきた金融庁にも責任の一端がある。審査体制を改めることで、節税保険の抜け道を防ぐ狙いがある。

節税保険は支払った保険料を会社の経費として損金算入し、課税額を抑えられると称する商品。2010年代後半に日本生命保険や第一生命ホールディングス(HD)傘下のネオファースト生命保険などが相次ぎ商品を投入し、中小企業経営者らの需要をとらえて販売が拡大した。18年頃の市場規模は推定8000億円以上で、生命保険の新規契約全体の3割程度を占めるに至った。

金融庁は保険商品の認可にあたって、国税庁と連携する。脱税や、行き過ぎた節税に関する現場の知見を積んできた国税庁が保険商品に悪質な節税目的がないかを金融庁の商品審査部門に助言する。

節税に使われた保険は金融庁が認可しており、違法ではない。金融庁は「節税につながるかは認可の要素ではなく、保障上問題が無ければ認可する」との立場だった。だが、節税効果を分析しきれず、節税保険が蔓延する結果を招いた。国税庁が入り口段階から審査に絡むことで、商品認可のハードルが上がる可能性が高い。

募集の現場にも介入する。金融庁と国税庁は顧客にどのような勧誘をしているか、保険の販売代理店の調査でも協力する。ヒアリングを通じて、募集人が本来の趣旨に沿った保険として説明しているかチェックする。詳細は今後詰めていく。

省庁をまたぐ異例のタッグの背景には、節税の悪質性が年々高まっていることがある。国税庁は19年6月に保険料の損金算入方法を大幅に見直す通達を出し、「ドル箱」状態だった中小企業の経営者向け保険にメスを入れた。だが今度は別の抜け穴をついた「名義変更プラン」と呼ばれる商品が外資系など一部の生保から登場した。

名義変更プランは定期保険の一種で、解約時の返戻率が低いうちに契約者の名義を法人から個人へ変え、返戻率が高くなった時期に解約して返戻金を受け取る仕組み。解約返戻金は「一時所得」として扱われ、通常の所得より税負担が軽い。国税庁は21年6月に実質認めない通達を出した。

介護保険にも問題が広がった。一部の外資系生保が、介護保険を通じて高所得者が子供など親族に非課税でお金を移せる手法として打ち出した。国税庁は21年3月、介護保険で保険金の非課税制度を悪用した節税手法をとらないよう生保業界に注意喚起した。

金融庁も21年11月の生命保険協会との意見交換会で、節税保険も含め「適正な保険募集の徹底を改めてお願いしたい」とくぎを刺した。同庁幹部は「節税効果の有無にかかわらず、顧客のための商品でなければ保険として意味をなさない」と話す。

これまで金融庁と国税庁は事務的なやり取り以外は別に動いていた。金融庁は顧客の保護、国税庁は税金の適正な徴収と行政目的が違うためだ。行き過ぎた節税行為を抑止するには、省庁を超えて連携したほうが効率的との判断に至った。

生保業界からは不満もこぼれる。ある大手生保幹部は顧客への商品説明の充実は重要としながらも、「問題が長年収束しなかったのは、商品にお墨付きを与える当局にも責任の一端がある」と本音を漏らす。別の生保の執行役員は「企業経営者の需要があるから商品をそろえた。駄目なら一律禁止にすればいい」と話す。

生命保険協会によれば、2020年度の個人保険(経営者保険含む)の保有契約高は815兆円と5年前比で5%減った。人口減や若者の保険離れが進む中、業界全体として売りやすい保険に飛びついた面は否めない。今回の商品審査見直しをきっかけに経営者向け保険のあり方について生保業界全体として真剣に考える必要がある。

以上です。

↑、成虫越冬から目覚めたキタテハ・秋型(3月撮影)。

オリックス生命、医療保険の新商品を発表。

2月14日、オリックス生命保険はHPにて、医療保険の新商品を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。

2/14・プレスリリース 医療保険「キュア・ネクスト」「キュア・レディ・ネクスト」を発売(PDF)

【管理人の感想】
今回の新商品の特徴は、3大疾病の保障を強化したことです。まず、三大疾病への一時金給付です。

現行商品は「重度三疾病一時金」で、悪性新生物と上皮内新生物、急性心筋梗塞、脳卒中が対象です。

新商品では「特定三疾病一時金」となり、悪性新生物と上皮内新生物、心疾患、脳血管疾患が対象となり、一時金の支払い範囲が拡大します。

支払事由も、心疾患や脳血管疾患の場合、60日の労働制限などから入院又は手術、10日以上の継続入院又は手術となり、支払事由も拡大します。

次に、保険料の払込免除事由です。

現行商品は、悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中による約款所定の状態に該当することが免除自由です。

新商品では、悪性新生物と上皮内新生物、心疾患、脳血管疾患による約款所定の状態に該当することが免除事由となり、保険料の払込免除の範囲が拡大します。

一時金支払事由が拡大されることは、まとまったお金をできるだけ速やかに受け取りたいと考えているお客様にとっていいことだと思います。

【公式コメントの内容】
以下、オリックス生命の公式コメントの内容です(上記プレスリリースより抜粋・転載)

【医療保険「キュア・ネクスト」「キュア・レディ・ネクスト」を発売】

~三大疾病の保障をさらに手厚く、「治したい気持ち」を力強くささえる医療保険へ~

オリックス生命保険株式会社(本社:東京都千代田区、社長:片岡 一則)は、このたび、当社主力商品の「医療保険 新キュア」「医療保険 新キュア・レディ」※1をリニューアルし、2022年4 月2日より「医療保険キュア・ネクスト」「医療保険キュア・レディ・ネクスト」(以下、キュア・ネクスト)の販売を開始しますのでお知らせします。

「医療保険キュア」は、“シンプルで分かりやすいこと”“合理的な保障をお手頃な価格でご提供すること”をコンセプトとしており、2006年9月発売以降の保有契約件数が200万件※2を超える当社のベストセラー商品として、多くのお客さまからご支持をいただいています。今回の新商品「キュア・ネクスト」は、従来商品のコンセプトを継承しながらも、三大疾病(がん※3・心疾患・脳血管疾患)をさらに手厚く保障できる商品へと進化しました。

医療技術の進歩等により、三大疾病は治る病気になりつつあると言われる一方、人生100年時代の到来で平均寿命が延び、年齢とともにその発症リスクが高くなる傾向にあります。

また、入院や治療の長期化により金銭面の負担が大きくなるケースも多い中、「キュア・ネクスト」は、保険料はお手頃なまま三大疾病の保障をより充実することで、お客さまの「治したい気持ち」をさらに力強くお支えします。

当社は、今後も時代のニーズに合った商品をご提供し、多くのお客さまに選ばれる保険会社であり続けることを目指してまいります。

【主なリニューアルポイント】

①三大疾病をさらに手厚く保障します
保険料払込免除特則と三疾病一時金の保障範囲を「心疾患」「脳血管疾患」に拡大するとともに、「上皮内新生物」を、保険料払込免除特則の保障範囲に追加しました。

②死亡保障にも備えられるようになります
「終身保険特約」の付加を可能とし、医療保障とともに、終身の死亡保障を一つの契約でご準備いただけるようになりました。

③保障はシンプルで分かりやすく、保険料はお手頃なままに
医療保険キュアシリーズのコンセプトはそのままに、保障範囲は拡大しつつも、シンプルで分かりやすく、かつ合理的な保障をお手頃な価格でご準備いただけます。

※1.「医療保険 新キュア」「医療保険 新キュア・レディ」は、2022年4月1日をもって販売停止となります。

※2.「キュア」「キュア・レディ」(2006年発売)、および「新キュア」「新キュア・レディ」(2013年発売)の保有契約件数(2021年9月時点)。

※3.上皮内新生物を含みます。

以上です。

↑道端のカラスノエンドウでアブラムシを捕食するナナホシテントウ(2月撮影)。