ホルモン剤治療給付金の支払いを巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた、令和6年10~12月の裁定概要集(PDF)に、がん保険のホルモン剤治療給付金の支払いを巡る裁定事案がありました。

事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
 約款上の支払事由に該当しないことを理由に、給付金が支払われなかったことを不服として、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 令和4年8月に成人型卵巣顆粒膜細胞腫*と診断され、治療のためにホルモン剤治療の処方を受けたため、平成28年11月に契約したがん保険にもとづき、ホルモン剤治療給付金を請求したところ、約款上の支払事由に該当しないことを理由に支払われなかった。しかし、以下の理由により、ホルモン剤治療給付金を支払ってほしい。また、保険会社の対応により精神的損害を被ったことから、慰謝料を支払ってほしい。

(1)本契約は、放射線治療給付金とホルモン剤治療給付金を回数無制限で一生涯保障されるもので、この保障が決め手となって加入した。

(2)申込手続前に保険会社に架電し、設計書を手元に置きながら、本契約の内容の説明を受けたが、その際、「ホルモン補充」のホルモン剤治療薬は保障の対象外だという説明は全く受けていなかった。

(3)卵巣がんの疑いで入院・手術が決まった際にも、保険会社に確認の電話をしたところ、担当者は「ホルモン剤治療が始まったときには、1ヵ月10万円支給されます」などと説明した。

(4)保険会社から、ホルモン剤治療給付金の支払対象外であるとの通知を受けた後、自分はコールセンターに電話をして理由を確認したが、説明が担当者ごとに変遷し、保険会社への不信感が募った。

*成人型卵巣顆粒膜細胞腫:卵巣がんの一種です。比較的珍しいがんで、罹患するのは主に閉経後の成人女性だそうです。

この事案は和解が成立しています。

保険会社の主張によると、約款に支払対象となるホルモン剤が明記されています。

ただ、裁定の概要を読むと担当者の説明は専門的で、電話の説明だけでは納得することは困難であることなどが指摘されています。

今回の事案は、仮に契約締結前にマーカーを引き、付箋をつけて説明をして約款を手交していたとしても防げないもので、請求事案発生後における情報提供の迅速さと丁寧さが求められる事案であると考えます。

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(令和6年10~12月裁定概要集P25~26より転載)。

[事案2023-271]給付金支払請求
・令和6年10月1日 和解成立

<事案の概要>
 約款上の支払事由に該当しないことを理由に、給付金が支払われなかったことを不服として、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 令和4年8月に成人型卵巣顆粒膜細胞腫と診断され、治療のためにホルモン剤治療の処方を受けたため、平成28年11月に契約したがん保険にもとづき、ホルモン剤治療給付金を請求したところ、約款上の支払事由に該当しないことを理由に支払われなかった。しかし、以下の理由により、ホルモン剤治療給付金を支払ってほしい。また、保険会社の対応により精神的損害を被ったことから、慰謝料を支払ってほしい。

(1)本契約は、放射線治療給付金とホルモン剤治療給付金を回数無制限で一生涯保障されるもので、この保障が決め手となって加入した。

(2)申込手続前に保険会社に架電し、設計書を手元に置きながら、本契約の内容の説明を受けたが、その際、「ホルモン補充」のホルモン剤治療薬は保障の対象外だという説明は全く受けていなかった。

(3)卵巣がんの疑いで入院・手術が決まった際にも、保険会社に確認の電話をしたところ、担当者は「ホルモン剤治療が始まったときには、1ヵ月10万円支給されます」などと説明した。

(4)保険会社から、ホルモン剤治療給付金の支払対象外であるとの通知を受けた後、自分はコールセンターに電話をして理由を確認したが、説明が担当者ごとに変遷し、保険会社への不信感が募った。

<保険会社の主張>
 以下等の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)申立人に処方された薬剤は、本契約の約款に定める薬剤には該当しない。

(2)担当者が申立人にホルモン剤治療給付金を支払うと発言したことはなく、虚偽の説明を行った事実もない。

(3)本契約のパンフレットには、「所定の抗がん剤またはホルモン剤の投与・処方を受けられたとき」と記載してあり、本契約の約款に対象のホルモン剤が明記してあるので、当社は説明責任を果たしている。

(4)申立人と担当者との通話中、担当者らの回答内容に誤りはなく、違法と評価されるような対応もなかった。

<裁定の概要>
1.裁定手続
 裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、申込手続時の状況等を把握するため、申立人に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果
 上記手続の結果、申立人の請求は認められないが、以下の理由により、本件は和解による解決を図るのが相当であると判断し、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、手続を終了した。

(1)担当者らが行った説明は専門的なもので、申立人にとって電話の説明だけで理解するのは難しい内容であったため、申立人は令和5年6月から3回にわたり、対象となるホルモン剤の一覧表の送付を求めたと思われるが、保険会社は、令和5年7月には約款の規定の説明と薬剤を検索するためのウェブサイト等の案内をしたにとどまり、同年9月になって初めて申立人にホルモン剤一覧表を送付した。

(2)担当者らが繰り返し説明した約款所定の「ホルモン剤」に該当しないことは、ホルモン剤一覧表によってようやく客観的かつ明確に確認できるものであり、ホルモン剤治療給付金の支払事由が高度に専門的で、口頭の説明だけで納得することは難しいことや、申立人が令和5年6月から3回にわたってホルモン剤一覧表の送付を求めていたことからすれば、保険会社は申立人に対し、ホルモン剤一覧表をより早期に送付することが望ましかった。

以上です。

↑セイヨウタンポポで吸蜜中のキタテハ秋型の♂(3月撮影)。

オリックス生命の第3四半期業績。

2月19日、オリックス生命保険はHPにて、2024年度第3四半期業績を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
2/19・ニュースリリース 2024年度第3四半期決算報告(PDF)

【管理人の感想】
1.保有契約件数の減少続く

個人保険の保有契約件数は前年同期末比で減少した一方、契約高・年換算保険料は増加しました。終身保険の保有が増えたことで、件数の減少は続いたものの、契約高と年換算保険料の増加につながったようです。

個人年金保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料は掲載されていなかったので、前年同期末比でどのように推移したのかは不明です。ただ、保有契約年間保険料を見ると減少が続いたものと思われます。

2.新契約件数の減少止まらず
個人保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は、前年同期比で87.3%、100.9%、115.2%でした。件数の減少が止まらない一方で、終身保険や一時払終身保険の新契約が堅調に推移したことで契約高と年換算保険料は増加したようです。

医療保障・生前給付保障等の新契約年換算保険料は、前年同期比で67.5%と大きく落ち込んでいました。

【主要業績の内容】
以下、オリックス生命の主要業績の内容です(上記ニュースリリースより抜粋・転載)。

〇保有契約 ( )内は前年度実績
1)件数

・個人保険…476万件 (484万件)

2)契約高
・個人保険…14兆470億円 (14兆120億円)

〇新契約
1)件数

・個人保険…12万9000件 前年同期比87.3%

2)契約高
・個人保険…6555億円 前年同期比100.9%

〇年換算保険料
1)保有契約 ( )内は前年度実績

・個人保険…3479億円 (3395億円)

・個人年金保険…264億円 (287億円)

・個人保険+個人年金保険…3744億円 (3682億円)

 うち医療保障・生前給付保障等…2097億円 (2126億円)

2)新契約
・個人保険…211億円 前年同期比115.2%

・個人保険+個人年金保険…211億円 前年同期比115.2%

 うち医療保障・生前給付保障等…63億円 前年同期比67.5%

〇保険料等収入、保険金等支払金、当期純利益
・保険料等収入…3922億円 前年同期比117.5%

・保険金等支払金…2198億円 前年同期比118.7%

・当期純利益…36億円 前年同期比44.5%

〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度数値
・基礎利益…124億円 前年同期比74.5%

・ソルベンシー・マージン比率…984.5% (1081.6%)

以上です。

↑成虫越冬から目覚めたキタテハ秋型の♀(3月撮影)。

ソニー生命の第3四半期業績。

2月19日、ソニー生命保険はHPにて、2024年度第3四半期業績を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
2/19・ニュースリリース 2024年度第3四半期業績のご報告(PDF)

【管理人の感想】
1.保有契約は堅調に増加

個人保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料は、前年同期末比で97.3%、105.5%、102.6%と、契約件数が減少したものの、契約高・年換算保険料は増加しました。

また、個人年金保険の保有契約件数・契約高・年換算保険料は、前年同期末比で127.7%、135.2%、130.2%といずれも二桁の増加でした。

医療保障・生前給付保障等の保有契約年換算保険料は、前年同期末比で98.8%と減少しました。

2.新契約も堅調に増加
個人保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は、前年同期比で92%、107.1%、113.6%と契約件数が減少したものの、契約高・年換算保険料は増加しました。

また、個人年金保険の新契約件数・契約高・年換算保険料は、前年同期比で115.5%、123.1%、115.1%といずれも二桁の増加でした。

医療保障・生前給付保障等の新契約年換算保険料は、前年同期比で98%と減少しました。

【主要業績の内容】
以下、ソニー生命の主要業績の内容です(上記ニュースリリースより抜粋転載)。

〇保有契約
1)件数

・個人保険…742万6000件 前年同期末比97.3%

・個人年金保険…177万9000件 前年同期末比127.7%

・個人保険+個人年金保険…920万5000件 前年同期末比102%

2)契約高
・個人保険…58兆6850億円 前年同期末比105.5%

・個人年金保険…12兆2734億円 前年同期末比135.2%

・個人保険+個人年金保険…70兆9585億円 前年同期末比109.7%

・団体保険…1兆2152億円 前年同期末比91.2%

・団体年金保険…31億円 前年同期末比80.5%

〇新契約
1)件数

・個人保険…22万1000件 前年同期比92%

・個人年金保険…33万1000件 前年同期比115.5%

・個人保険+個人年金保険…55万2000件 前年同期比104.8%

2)契約高
・個人保険…5兆5613億円 前年同期比107.1%

・個人年金保険…2兆5905億円 前年同期比123.1%

・個人保険+個人年金保険…8兆1518億円 前年同期比111.8%

・団体保険…68億円 前年同期比113.2%

〇年換算保険料
1)保有契約

・個人保険…9408億円 前年同期末比102.6%

・個人年金保険…3369億円 前年同期末比130.2%

・個人保険+個人年金保険…1兆2778億円 前年同期末比108.7%

 うち医療保障・生前給付保障等…2107億円 前年同期末比98.8%

2)新契約
・個人保険…638億円 前年同期比113.6%

・個人年金保険…673億円 前年同期比115.1%

・個人保険+個人年金保険…1311億円 前年同期比114.4%

 うち医療保障・生前給付保障等…65億円 前年同期比98%

〇保険料等収入、保険金等支払金、経常利益、四半期純利益
・保険料等収入…1兆3915億円 前年同期比109.1%

・保険金等支払金…8411億円 前年同期比110.6%

・経常利益…337億円 前年同期比177.8%

・四半期純利益…217億円 前年同期比193.9%

〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度数値
・基礎利益…1029億円 前年同期比77.3%

・ソルベンシー・マージン比率…1644.6% (2006.2%)

以上です。

↑道端の白梅にやってきたホソヒラタアブ(2月撮影)。

アフラックの第3四半期業績。

2月14日、アフラック生命保険はHPにて、第3四半期業績を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
2/14・ニュースリリース 2024年度第3四半期報告(PDF)

【管理人の感想】
1.保有契約の減少止まらず

がん保険と医療保険という2大保険商品の保有契約件数は、どちらも前年同期末比で減少していました。依然として保有契約の減少に歯止めがかからない状況です。

2.新契約も減少続く
がん保険の新契約件数は前年同期比94.4%、医療保険の新契約件数は前年同期比84.6%とどちらも減少でした。医療保険は昨年夏に、新商品の投入と商品ブランドの刷新を行いましたが、新契約を押し上げるだけの効果が出ていないことがうかがえます。

【主要業績の内容】
以下、アフラックの主要業績の内容です。

〇保有契約件数 ( )内は前年度実績
・個人保険…2199万9000件 (2253万1000件)

・個人年金保険…33万3000件 (32万9000件)

・個人保険+個人年金保険…2233万3000件 (2286万1000件)

〇新契約件数
・個人保険…59万7000件 前年同期比98.2%

 うちがん保険…39万5000件 前年同期比94.4%

 うち医療保険…11万件 前年同期比84.6%

〇年換算保険料
1)保有契約 ( )内は前年度実績

・個人保険…1兆1922億円 (1兆2197億円)

・個人年金保険…1042億円 (979億円)

・個人保険+個人年金保険…1兆2965億円 (1兆3177億円)

 うち医療保障・生前給付保障等…9749億円 (9934億円)

2)新契約
・個人保険…423億円 前年同期比99.5%

・個人保険+個人年金保険…423億円 前年同期比99.5%

 うち医療保障・生前給付保障等…376億円 前年同期比98.4%

〇保険料等収入、保険金等支払金、四半期純利益
・保険料等収入…9939億円 前年同期比102.6%

・保険金等支払金…9654億円 前年同期比104.1%

・四半期純利益…3176億円 前年同期比100.9%

〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度数値
・基礎利益…3299億円 前年同期比98.9%

・ソルベンシー・マージン比率…1198.5% (1202.7%)

以上です。

↑道端のホトケノザでアブラムシを捕食するナナホシテントウ(2月撮影)。

4月から日生が変額保険の販売を、チューリッヒ生命が変額保険の新商品を投入するそうです(日経報道)。

2月14日の日本経済新聞朝刊に、4月から投入される変額保険についての記事がありました。

記事によると、

< 生命保険各社が運用成果に応じて保険金が変動する変額保険を相次いで投入する。日本生命保険は4月からアクサ生命保険の商品を自社の営業職員チャネルで販売する。チューリッヒ生命保険も新商品を出す。新しい少額投資非課税制度(NISA)を背景に資産形成ニーズを取り込む。>

とのことです。

【管理人の感想】
日本生命が取り扱いを開始するのは、アクサ生命の「ユニット・リンク」という変額保険です。この保険は、変額保険(有期型)で保険期間満了を迎えると満期保険金を受け取れます。

保険期間中の死亡・高度障害保険金は、特別勘定の運用成績次第で増減しますが、契約時に申し込んだ死亡・高度障害保険金(基本保険金)は最低保証されます。

例えば契約申し込み時の基本保険金額が300万円であれば、その金額が保証され、特別勘定の運用成績が悪くても支払われます。

また満期保険金や解約返戻金は特別勘定の運用成績次第で増減し、最低保証はありません。

はなさく生命が1月に投入した変額保険とチューリッヒ生命が4月に投入する予定の変額保険も変額保険(有期型)です。

どちらもインフレによる各種保険金の実質的価値の減少を抑えることが目的の保険商品です。

変額保険にはこの他にも、一生涯の死亡保障を確保するための「変額保険(終身型)」や年金形式でお金を受け取る「変額個人年金保険」などがあります。

変額保険が登場したのはバブル前夜の1986(昭和61)年でした。インフレによる保険金の実質的価値の減少を抑える目的で、外資系生保だけでなく大手生保なども取り扱いを開始しました。

1987(昭和62)年からのバブル景気に突入すると、不動産価格の急激な上昇で相続税対策に不安を感じていた個人をターゲットにした「融資一体型変額保険」が登場し、大手銀行と大手国内生保の一部が積極的に募集を行いました。

この保険は商品設計と募集管理体制の両方で問題を抱えたもので、バブル退治と称して実施された金融引き締め策で、急速な景気後退に陥った1991(平成3)年以降、一時払い保険料を貸し付けた銀行が貸し付けた保険料の全額返済を要求し始め、追い込まれた契約者が自ら命を絶つ事例が複数発生し、銀行と生命保険会社に非難が殺到し訴訟に発展しました。また、変額保険そのものにも悪い印象を植え付けることになりました。

2002年になると金融機関の窓口で一時払い変額個人年金保険の取り扱いが始まり、外資系生保が新契約を急速に伸ばし始めました。しかし、「最低保証部分に係る責任準備金の積み増し」が求められると保険財務への負担が重くのしかかり始め、サブプライムローンの焦げ付きによる金融危機(リーマンショック)がさらに負担を重く、特別勘定の運用成績も悪化しました。

その結果、複数の外資系生保(ハートフォード生命、スカンディア生命、クレディスイス生命など)が日本市場から撤退し一部の保険会社は変額個人年金保険の新契約を停止し、取り扱う保険商品を大幅に変更しました。

【記事の内容】
以下、日経の記事の内容です。

-日本経済新聞 2025年2月14日朝刊-

【生保、相次ぎ変額保険投入】

 生命保険各社が運用成果に応じて保険金が変動する変額保険を相次いで投入する。日本生命保険は4月からアクサ生命保険の商品を自社の営業職員チャネルで販売する。チューリッヒ生命保険も新商品を出す。新しい少額投資非課税制度(NISA)を背景に資産形成ニーズを取り込む。

 変額保険は、保険料の一部を株式や債券で運用する特別勘定に繰り入れ、運用成績に応じた保険金を支払う商品だ。被保険者が死亡や高度障害状態となった場合に支払われる基本保険金は、運用成績によらず最低額が保証される。

 ただ運用成績が振るわない場合には、保険金額が払い込んだ保険料の合計額を下回る「元本割れ」のリスクがある。

 日本生命はアクサ生命の「ユニット・リンク」を4月から販売する。日本生命の営業職員が変額保険を販売するのはおよそ23年ぶりという。運用方針や運用資産に応じて、外国株式型など12種類から保険料の運用先を選ぶことができる。運用実績に応じて保険金額が変動する。

 日本生命は2015年にアクサ生命と提携し医療保険を販売してきた。変額保険を自社開発することも視野に入れてきたが、開発コストや時間を抑えるためにアクサ生命の商品を販売することにした。特約を付ければガンや脳卒中などの特定の病気にかかった場合に、保険料の払込が不要となる。

 チューリッヒ生命も4月に新しい変額保険を発売する。同社が変額保険を取り扱うのはおよそ20年ぶりだ。国内外の株式や債券に投資する9つの投資信託から投資先を選ぶ。

 はなさく生命保険は1月に初めて変額保険の取り扱いを始めた。約1ヵ月で販売件数が4000件を超え、想定の約3倍の販売実績となっている。はなさく生命の村岸祐二商品開発部長は「死亡リスクなどに加え老後の資産形成の備えになる点が評価された」と話す。

 各社が変額保険の投入に動く背景には、新NISAの普及や資産運用立国を目指す政府の政策を背景とした資産形成ニーズの高まりがある。証券会社などは低コストで投資できるインデックス型の投資信託や運用商品をそろえており、日本生命の担当者は「生保としても資産形成需要に応える商品を拡充する必要が高まっている」と指摘する。

 金利上昇や株高で運用環境が好転し始めている事も、新商品の投入を後押ししている。変額保険は運用成績によっては元本割れのリスクもあるため、金融市場が低調な局面では販売拡大に動きにくいという事情があった。

 変額保険の投入には慎重な意見もある。市場の変動で保険金額が増減するため、契約者側にリスクを十分に説明する必要がある。ある中堅生保の関係者は「十分な金融リテラシーのない顧客にもリスクを説明しきれるのかという懸念はある」と話す。

 変額保険を巡っては、生保にとっても苦い経験がある。各社は1990年代から2000年代にも変額保険を積極的に販売しており、ITバブルの崩壊などで相場が下落した際に契約者からの苦情が殺到した。十分な説明がなかったとして訴訟に発展するケースもあり、変額保険の販売を手控える動きが広がった。

 日本生命は変額保険の販売時に、市場のリスクなどを説明する動画の視聴を必須としている。申込みの手続き後には販売担当者と別の職員が顧客に電話をかけ、重要事項の説明を受けたかどうかなどを確認する。

 チューリッヒ生命では70歳以上の契約者には複数回の面談をするほか、はなさく生命も代理店向けに契約手続きを説明する資料を作成し顧客へのリスク周知を徹底する。

以上です。

↑2月に撮影した福寿草。

法人契約の定期保険を巡る裁定事案(新契約取消し要求)。

生命保険協会が取りまとめた、令和6年7~9月の裁定概要集(PDF)に、法人契約の定期保険を巡る裁定事案がありました。

事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
 契約の取消しを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 令和2年9月に契約した定期保険について、以下の理由により、契約を取消して既払込保険料を返還してほしい。

(1)本契約の商品については、金融庁が業務改善命令を出しており、かつ保険会社が、本契約の商品の募集活動について保険本来の趣旨を逸脱するものと認めている。

(2)本契約にかかる募集は、名義変更を前提とする募集であった。

(3)税制改正後、保険会社退職後の募集人から、当初の目的が果たせなくなったことの説明と、名義変更手続きによる節税指南を受け、名義変更手続きをさせられた。

この事案は和解が成立しています。

保障の提供という保険本来の趣旨から逸脱した募集行為がなされた挙句、保険会社退職後の募集人は不適切な助言をしていますね。

法人契約の定期保険については2019年に国税庁が税務通達を変更し、損金算入できる範囲を変更前に比べてさらに厳しくしました。そして、2021年には名義変更を前提とした保険契約に対しての税務通達の変更を行い、課税強化を行いました。

2022年の夏には、ある外資系生保が税務通達の抜け穴をつく節税目的の保険募集を組織的に行っていたことで業務改善命令を受け、翌23年冬には、中小企業をメインターゲットとしている外資系生保が、名義変更による節税目的の保険商品の開発及び募集行っていたことで業務改善命令を受けています(こちらは保険業法第300条に抵触する恐れすらある悪質な行為も指摘されています)。

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(令和6年7~9月裁定概要集P2より転載)。

[事案2023-193]新契約取消請求
・令和6年9月4日 和解成立
※本事案の申立人は、法人である。

<事案の概要>
 契約の取消しを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 令和2年9月に契約した定期保険について、以下の理由により、契約を取消して既払込保険料を返還してほしい。

(1)本契約の商品については、金融庁が業務改善命令を出しており、かつ保険会社が、本契約の商品の募集活動について保険本来の趣旨を逸脱するものと認めている。

(2)本契約にかかる募集は、名義変更を前提とする募集であった。

(3)税制改正後、保険会社退職後の募集人から、当初の目的が果たせなくなったことの説明と、名義変更手続きによる節税指南を受け、名義変更手続きをさせられた。

<保険会社の主張>
 以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)募集人が本商品を提案した際、留意事項を記載した書面を提示して説明し、契約者から押印をいただいており、また、同署面には冒頭に税務の取扱い等が変わる場合がある旨が記載されている。

(2)税制変更の可能性について、募集人の説明が不適切であったという事実を確認することはできなかった。

<裁定の概要>
1.裁定手続
 裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、契約時の状況等を確認するため、申立人および募集人に対して聴取を行った。

2.裁定結果
 上記手続の結果、本件は和解による解決を図るのが相当であると判断し、当事者双方に対し、和解を促したところ、同意が得られたので、和解契約書の締結をもって手続を終了した。

以上です。

↑道端のオオイヌノフグリにやってきたフタホシヒラタアブ(今月撮影)。

入院一時金の支払いをめぐる裁定事案(重大事由による契約解除)。

生命保険協会が取りまとめた、令和6年7~9月の裁定概要集(PDF)に、入院一時金の支払いを巡る裁定事案がありました。

事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
 重大事由により契約が解除され、入院一時金が支払われなかったことを不服として、入院一時金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 令和5年4月に終夜睡眠ポリグラフィー検査で2日間入院したため、令和5年3月に契約した組立保険にもとづき入院一時金を請求したところ、約款上の重大事由に該当するとして、契約が解除され入院一時金が支払われなかった。しかし、以下等の理由により、入院一時金を支払ってほしい。

(1)募集人から、申込前に、複数社で保険の加入をすると給付金の支払い対象にならないなど、保険会社が重大事由による保険契約の解除を行うことの注意や説明はなかった。そのような重要な説明は、契約前に行うべきである。

(2)自分は、スポーツを20年ぶりに再開しようと思い、また、令和5年3月末にスキーに行く予定があったことから、複数の医療保険に加入した。自分は法人の代表者であり、複数の医療保険に加入したのは、経費処理の目的もあった。保険会社は、自分が複数の医療保険に加入したこと自体に非があるような主張をしており、複数の医療保険に加入したことに詐欺的要素があるとすれば、予め説明するのが当然だと思う。

(3)自分は、令和5年3月中旬ごろ、妻から睡眠時の無呼吸の指摘を受け、同月に受診したのであるから、タイミングを計って受診したものではない。

この事案は裁定打ち切りとなっています。

<保険会社の主張>によると、申立人は令和5年3~4月の間に7社7件の医療保険に契約し、入院一時金の合計額は180万円という極めて高額であったことが判明しています。保険会社は「保険事故の意図的召致」と疑っていますが当然でしょう。

重大事由による契約解除としたのは、当たり前の支払い査定結果であると言えます。

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(令和6年7~9月裁定概要集・P39~40より転載)。

[事案2023-266]入院一時金支払請求
・令和6年8月7日 裁定打切り

<事案の概要>
 重大事由により契約が解除され、入院一時金が支払われなかったことを不服として、入院一時金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 令和5年4月に終夜睡眠ポリグラフィー検査で2日間入院したため、令和5年3月に契約した組立保険にもとづき入院一時金を請求したところ、約款上の重大事由に該当するとして、契約が解除され入院一時金が支払われなかった。しかし、以下等の理由により、入院一時金を支払ってほしい。

(1)募集人から、申込前に、複数社で保険の加入をすると給付金の支払い対象にならないなど、保険会社が重大事由による保険契約の解除を行うことの注意や説明はなかった。そのような重要な説明は、契約前に行うべきである。

(2)自分は、スポーツを20年ぶりに再開しようと思い、また、令和5年3月末にスキーに行く予定があったことから、複数の医療保険に加入した。自分は法人の代表者であり、複数の医療保険に加入したのは、経費処理の目的もあった。保険会社は、自分が複数の医療保険に加入したこと自体に非があるような主張をしており、複数の医療保険に加入したことに詐欺的要素があるとすれば、予め説明するのが当然だと思う。

(3)自分は、令和5年3月中旬ごろ、妻から睡眠時の無呼吸の指摘を受け、同月に受診したのであるから、タイミングを計って受診したものではない。

<保険会社の主張>
 以下等の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)申立人は、令和5年3月から同年4月までに本契約を含めて7社7件の医療保険に加入しており、入院一時金金額は合計180万円であることが判明した。申立人は、令和5年3月中旬ごろに、妻に言われてクリニックを受診したとのことであり、本契約後に初診を行うようにタイミングを計ったとの懸念が拭えない。

(2)本入院では、睡眠時無呼吸症候群の検査入院1回につき、180万円を受領できる一方、月払い保険料と一般的な入院費用の合計が極めて不均衡であると推認され、給付金の受領を期待した申立人が、保険事故を恣意的に発生させた可能性が強く推認される。

(3)申立人が受診したクリニックの問診表のうち、「①いびきを指摘されたのはいつですか」「②無呼吸を指摘されたことはありますか…無呼吸を指摘されたのはいつですか」に対して回答をしておらず、このことは、給付金を確実に受領するために、不支払の要素となる質問に対しては、意図的に回答しなかったものと推認される。

<裁定の概要>
1.裁定手続
 裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、契約の経緯等を確認するため、申立人に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果
 上記手続きの結果、以下の理由により、裁定手続を打ち切ることとした。

(1)重大事由による解除が相当か否かを判断するためには、本契約および他者の保険の加入の経緯・動機、保険契約者が支払う保険料の合計額、加入当時の保険契約者の生活状況(収入、支出等)及び財産状況(資産、負債等)、保険料の負担能力及び支払い状況、給付金の支払履歴および支払われた給付金があればその妥当性、被保険者の病状などを総合的に勘案して判断しなければならない。

(2)これらの事情を明らかにするには、証拠調べ手続を経る必要があるほか、第三者に対する文書送付嘱託または文書提出命令、医師等の第三者に対する尋問等の手続が必要となる可能性があるが、裁定審査会にはこれらの手続がなく、公正かつ適正な判断を行うためには裁判所における訴訟による解決が適当である。

以上です。

↑小寒に撮影した水仙。

医療保険の入院一時金特約、モラルリスク混入対策が急務-申込金額制限、約款改定などモラルリスク契約排除の動き。

弊社が取り扱っている生命保険のうちの1社から、医療保険に付加されている入院一時金特約において、支払いが悪化しており、モラルリスク混入対策が急務となっている旨の通知がありました。

通知を要約すると

「〇入院一時金特約の支払いが悪化しており、他社においても、金額制限、約款改定などモラルリスク契約排除の動きが出てきている。また、新聞記事でもこの問題が報道され始めている。

〇当社においても、他社と合わせての複数の契約に加入している契約、および一時金20万円の契約の支払いが悪化しており、明らかなモラルリスク契約も存在している。

〇モラルリスク対策として、入院一時金特約について、2025年1月より、他社通算引受上限金額の引き下げを行う。また、2025年3月より、最高給付金額の引き下げを行う。」

とのことでした。

入院一時金特約は「病気やケガで入院した場合、日帰り入院からでもまとまった金額(5万円など)を受けることができる」特約で、入院日数の短期化に伴い生命保険各社が医療保険に付加できる特約に相次いで加えました。

入院給付金の支払いが入院日数に応じたものだけ保障に比べ、短期間での入院で済んだ場合の医療費自己負担をさらに抑えられることがメリットです。

しかし、管理人の把握する限り、新型コロナウイルス感染症に伴う「みなし入院の特別措置」が実施されて以降、入院一時金特約を巡るモラルリスク*やその疑いが強い事案を目にするようになりました。

*モラルリスクとは生命保険制度の悪用です。例えば、加入前に自覚症状があったにもかかわらず、それを告知せずに加入し、保障開始後間もなく給付金を請求することです。

中には、保険ショップや乗合募集代理店で短期間のうちに複数の保険会社の医療保険に集中加入して、入院一時金の受け取り合計額が数十万円から百万円超となっていたことで、保険会社が「重大事由による契約解除」とし、それを不服として裁定申立てとなった事案もあります。

生命保険募集時には取扱者報告書で「他社生保の加入状況」を聞き取り、その内容(死亡保険金額、入院給付金日額等)を記載することになっています。

その他に、募集人から募集関連行為(商品概要の提示など)を受けていないにもかかわらず、商品を名指しで自発的に申し込みをしようとする人には極めて慎重に対応し、断ることもするなど生命保険制度の悪用の防止に努めています(これを「一次選択」と言います)。

仮に他社契約の有無を正直に答えずに一次選択をすり抜けても、契約内容照会制度や支払査定時照会制度で支払い・引受・契約解除及び無効の判断の参考とするので、モラルリスクは発覚します。

↑裏庭のアラカシで日向ぼっこに飛び出してきたムラサキツバメ♀(昨年12月撮影)。

先進医療給付金の支払いを巡る裁定事案(支払事由非該当)。

生命保険協会が取りまとめた、令和6年7~9月の裁定概要集(PDF)に、先進医療給付金の支払いを巡る裁定事案がありました。

事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
 約款上の支払事由に該当しないことを理由に、先進医療給付金等が支払われなかったことを不服として、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 令和5年に配偶者が転移性肝がんと診断され、同年8月より重粒子線治療を受け合計10日間通院したため、平成25年10月に契約したがん保険(契約者・被保険者は配偶者、給付金受取人は自分)のがん先進医療特約およびがん通院特約にもとづき、先進医療給付金および通院給付金を請求したところ、給付金が支払われなかった。しかし、以下等の理由により、先進医療給付金(請求①)および通院給付金(請求②)を支払ってほしい。

(1)請求①について、医師から、粒子線治療は、治療が自由診療と先進医療に分かれ、被保険者が受ける治療は自由診療になると説明を受けたが、治療法はどちらも同じ粒子線治療であると聞いた。

(2)請求②について、被保険者が治療を受けた医療機関には入院施設がないが、厚生労働省指定の病院である。入院施設がないことを理由に通院給付金が支払われないことに納得ができない。

この事案は「裁定終了」となっています。

転移性肝癌(QST病院などの医療機関での疾患名は転移性肝腫瘍と表記されています)に対する先進医療としての重粒子線治療は、「少数転移性肝腫瘍(oligometastatic、3個以下)で肝臓以外の病変が制御されていること」が条件※となっています。

おそらく申立人の配偶者の転移性肝癌は、この条件に該当しなかったために自由診療となったものと考えられます。それでは支払事由に該当しないので、保険会社が先進医療給付金等を不支払としたのは当然の査定結果です。

※出典:QST病院(旧放射線医学総合研究所病院)サイト

【事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(令和6年7~9月裁定概要集・P33~34より転載)。

[事案2023-312]先進医療給付金等支払請求
・令和6年7月8日 裁定終了

<事案の概要>
 約款上の支払事由に該当しないことを理由に、先進医療給付金等が支払われなかったことを不服として、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 令和5年に配偶者が転移性肝がんと診断され、同年8月より重粒子線治療を受け合計10日間通院したため、平成25年10月に契約したがん保険(契約者・被保険者は配偶者、給付金受取人は自分)のがん先進医療特約およびがん通院特約にもとづき、先進医療給付金および通院給付金を請求したところ、給付金が支払われなかった。しかし、以下等の理由により、先進医療給付金(請求①)および通院給付金(請求②)を支払ってほしい。

(1)請求①について、医師から、粒子線治療は、治療が自由診療と先進医療に分かれ、被保険者が受ける治療は自由診療になると説明を受けたが、治療法はどちらも同じ粒子線治療であると聞いた。

(2)請求②について、被保険者が治療を受けた医療機関には入院施設がないが、厚生労働省指定の病院である。入院施設がないことを理由に通院給付金が支払われないことに納得ができない。

<保険会社の主張>
 以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)請求①について、がん先進医療特約では、公的医療保険制度における先進医療による療養であることを支払事由の1つとして規定している。診断書の内容、医療機関への電話確認により、被保険者は、先進医療ではなく、自由診療による粒子線治療を受けたことを確認している。したがって、被保険者が受けた治療は、公的医療保険制度における先進医療にはあたらず、支払対象外となる。

(2)請求②について、がん通院特約では、主契約に定める支払事由となる入院の入院日前、または退院日から所定の期間に行われた通院であることを支払事由の1つとして規定している。また、主契約では、病院または診療所における入院であることを支払事由の1つとして規定してる。申立人が通院した医療機関は患者が入院するための施設を有しておらず、診断書上も入院日ではなく通院日として明記されているため、主契約の入院給付金の支払事由を満たさず、支払対象外となる。

<裁定の概要>
1.裁定手続
 裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理のほか、和解を相当とする事情の有無を確認するため、申立人及び申立人子に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果
 上記手続きの結果、申立人の請求は認められず、その他保険会社に指摘すべき特段の個別事情も見出せないことから、和解による解決の見込みがないと判断して、手続を終了した。

以上です。

↑アラカシで集団越冬中のムラサキシジミ(今月撮影)。

アフラック生命の第2四半期(上半期)業績。

11月22日、アフラック生命保険はHPにて、2024年度第2四半期(上半期)業績を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
11/22・ニュースリリース 2024年度第2四半期(上半期)報告(PDF)

【管理人の感想】
1.保有契約の減少止まらず

個人保険の保有契約件数は前年同期末比で減少していました。保有契約の大半を占めるがん保険、医療保険の保有契約件数ですが、どちらも前年同期末比で減少していました。

また、個人保険及び医療保障・生前給付保障等の保有契約年換算保険料も前年同期末比で減少していました。

う~ん…保有契約の減少が止まりませんね。

2.新契約も減少
個人保険の新契約件数は前年同期比99.5%と減少していました。2大看板商品のがん保険と医療保険の新契約件数ですが、がん保険は前年同期比93.8%、医療保険は前年同期比92.5%どちらも減少していました。

一方、個人保険の新契約年換算保険料は前年同期比で101.4%、医療保障・生前給付保障等の新契約年換算保険料は前年同期比で100.7%とどちらも増加していました。

新契約の増加が続きませんね。医療保険は今夏に保障内容とブランドを刷新したばかりです。その効果が出たのかどうかは第3四半期の業績でわかることでしょう。

【主要業績の内容】
以下、アフラックの主要業績の内容です(上記ニュースリリースより抜粋・転載)。

〇保有契約件数 ( )内は前年度実績
・個人保険….2212万5000件 (2266万9000件)

・個人年金保険…33万2000件 (32万9000件)

・個人保険+個人年金保険…2245万7000件 (2299万8000件)

 うちがん保険…1416万8000件 (1453万8000件)

 うち医療保険…546万8000件 (559万1000件)

〇新契約
・個人保険…40万4000件 前年同期比99.5%

 うちがん保険…27万件 前年同期比93.8&

 うち医療保険…7万件 前年同期比92.5%

〇年換算保険料
1)保有契約 ( )内は前年度実績

・個人保険…1兆1984億円 (1兆2266億円)

・個人年金保険…1027億円 (964億円)

・個人保険+個人年金保険…1兆3011億円 (1兆3230億円)

 うち医療保障・生前給付保障等…9790億円 (9981億円)

2)新契約
・個人保険…284億円 前年同期比101.4%

・個人保険+個人年金保険…284億円 前年同期比101.4%

 うち医療保障・生前給付保障等…253億円 前年同期比100.7%

〇保険料等収入、経常利益、中間純利益
・保険料等収入…6598億円 前年同期比102.6%

・経常利益…2708億円 前年同期比122%

・中間純利益…1926億円 前年同期比122.3%

〇三利源 ( )内は前年度実績
・危険差益…870億円 (1038億円)

・費差損益…390億円 (441億円)

・利差損益…1046億円 (801億円)

〇基礎利益、ソルベンシー・マージン比率 ( )内は前年度数値
・基礎利益…2306億円 前年同期比101.1%

・ソルベンシー・マージン比率…1162.9% (1063.7%)

以上です。

↑裏庭のアラカシで翅を開いたムラサキシジミ♀(今月撮影)。