ソニー生命が収入保障保険の新商品を発表。

5月1日、ソニー生命保険はHPにて、収入保障保険の新商品を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。
5/1・ニュースリリース 「無解約返戻金型収入保障保険(無配当)」等の発売について(PDF)

【管理人の感想】
今回の新商品は死亡保障の有無の選択を可能とすることで、「死亡保障は不要。障害・介護保障は10万円」といった具合にリビングデスに対する保障に重点を置くことを可能としています。

また、特約や特則が新設されます。個人的に興味深かったのは新商品専用の保険料払込免除特則です。免除事由は「入院または在宅医療が60日以上継続したとき、又はがん・上皮内がんと診断確定されたとき」となっていました。

がん、又は上皮内がんと診断確定された時点で保険料の払込が免除されるのは大きいですね。

【公式コメントの内容】
以下、ソニー生命の公式コメントの内容です(上記プレスリリースより抜粋・転載)。

【「無解約返戻金型収入保障保険(無配当)」等の発売について】
 ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長:髙橋 薫、以下「当社」)は、2025年7月2日より、就業不能となり得るリスクに対する保障の充実をはかった「無解約返戻金型収入保障保険(無配当)」(以下、「収入保障保険」および、入院・在宅医療やがん等による一時的な収入減を保障する「入院・在宅医療一時金特約(無配当)」、「がん一時金特約(無配当)」等を発売します。

◇背景
 これまで当社では、万一のときや障害・介護等による就業不能時に毎月の収入を確保できる商品として、家族収入保険をご提供し、多くのお客さまにご好評いただいてきました。

 今回、より多くのお客さまをお守りすることを目的として、従来の家族収入保険をリニューアルし、障害や介護等の就業不能となり得るリスクに対する保障を拡大した収入保障保険を新たに発売します。この新商品は、死亡保障の有無を選択可能とし、さまざまな特約もあわせて新設することで、更に幅広くお客さまのニードにお応えすることができるようになりました。加えて、ご加入しやすいよう、従来の家族収入保険では3,000円であったご契約可能な保険料(最低保険料)を1,000円に引き下げます。

 当社では、これらの商品提供等を通じて、お一人おひとりに最適な保障をお届けすることで、お客さまの「生きがい」ある人生をお守りしてまいります。

◇収入保障保険の概要について
・お支払いする年金の種類の組み合わせを、4つの型からお選びいただけます。

・身体障害者手帳4級以上、要介護1以上、360日以上の入院・在宅医療等の幅広い保障範囲で年金をお支払いします。

・死亡保障(遺族年金)の有無をお選びいただけます(Ⅰ型を除く)。

・就業不能となり得るリスクの保障のみを上乗せできる特約や、入院・在宅医療やがんによる一時的な収入減に備える特約等を
新設しました。

・優良体・非喫煙者割引特則を付加することで、健康状態および喫煙状況などに応じて、保険料が割安になります。

◇新設する特約・特則について ※特約・特則の負荷にあたっては所定の制限があり、付加できないこともあります。

・無解約返戻金型収入保障特約(無配当) :無解約返戻金型収入保障保険(無配当)と同一のお支払い事由です。 ※ 無解約返戻金型収入保障保険(無配当)と異なり、Ⅰ型にも遺族年金不担保特則の付加が可能です。

・入院・在宅医療一時金特約(無配当)*: 入院または在宅医療が60日継続したとき、特約年金月額の12か月分を一時金としてお支払いします(360日に1回を限度)。 ※ 所定の精神疾患を原因とする入院または在宅医療の場合は、保険期間をとおして1回のお支払いとなります。

・がん一時金特約(無配当)* :がんと診断確定されたとき等に、特約年金月額の6か月分をお支払いします(180日に1回を限度)。また、上皮内がんと診断確定されたとき等に、特約年金月額の1か月分をお支払いします(30日に1回を限度)。

・保険料払込免除特則(収入保障保険用)*: 入院または在宅医療が60日以上継続したとき、またはがん・上皮内がんと診断確定されたとき、以後の保険料のお払い込みが不要となります。

* 収入保障保険専用

以上です。

↑4月に撮影したニホンカワトンボ♂。

日本頭頚部外科学会が「アルノミックス治療(光免疫療法)」に関する注意喚起の声明を発表。

5月12日、特定非営利活動法人日本頭頚部外科学会はHPにて、「アルミノックス治療(光免疫療法)」に関する注意喚起の声明を発表*しました。

*詳しくはこちらをどうぞ。

5/12・お知らせ「アルノミックス治療(光免疫療法)について」

声明の内容は以下の通りです。

【アルノミックス治療(光免疫療法)について】

アルミノックス治療(光免疫療法)は、米国国立がん研究所(NIH)の小林久隆先生により開発された新しいがん治療法です。海外における第Ⅰ/Ⅱ相試験、国内の第Ⅰ相試験、さらに国際共同第Ⅲ相試験を経て、厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定され、2020年9月に条件付き早期承認を取得しました。その後、2021年1月には、切除不能な再発・転移性頭頸部がんを対象とした治療が、世界に先駆けて日本にて開始されました。

本治療は従来のがん治療とは全く異なる革新的な治療法であることから、安全かつ適正に患者さんへ提供されるよう、学会内では厳格な施設基準(頭頸部がん認定施設)および術者基準(耳鼻咽喉科専門医かつ頭頸部がん専門医)を定め、本学会のアルミノックス運営委員会により管理してきました。そうして2024年9月までに、約220名の方に光免疫療法が実施されてきました。こうした厳密な基準の設定は、容態の変化に応じて緊急入院、緊急手術、集中治療室での管理が必要となることがあるため、極めて重要であると考えています。

保険診療において光免疫療法を安全に受けていただける病院(学会認定施設)については、以下のURLをご参照ください。

https://pts.rakuten-med.jp/akalux/institution/

なお、これらの認定医療機関以外で光免疫療法の提供を謳っている施設があるとの報告がありますが、それらについて本学会は一切関与しておりません。

また、現時点において、切除不能な再発・転移性頭頸部がん以外の疾患に対する光免疫療法の有効性・安全性は確立されておりません。

私たちは、光免疫療法を安全かつ適切に患者さまへ提供すべく、知識と経験を積み重ねてまいりました。本治療をご希望の患者さまには、学会認定の医療機関にて受診されることを、強く推奨しております。

【考察】

同学会が問題視しているのは、民間クリニックが自由診療として行っている「先端光免疫療法」あるいは「光免疫療法」の可能性が極めて高いと考えています。

そもそも光免疫療法とは

<抗体-光感受性物質複合体であるアキャルックス®と光照射による治療で、アキャルック ス®を投与し20–28時間後に690 nmの光を照射することによって色素は活性化し,複合体が結合した細胞にの み迅速な殺細胞作用を誘導させることができるとされている。がん細胞のみを選択的に破壊すると同時に,腫 瘍細胞を取り巻く正常組織の損傷を最小化することができると期待されている。 本邦では切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌に対して条件付で保険承認され,2021年1月1日より 保険診療として行われている治療>

です。

※引用:(頭頸部がんの光免疫療法 篠﨑 剛  国立がん研究センター東病院頭頸部外科)

これに対し、民間クリニックが自由診療で行っているものは、正式には「光線力学的治療法(PDT)」であって、「光免疫療法」とは作用機序(光感受性物質ががん細胞内の酸素を活性酸素(一重項酸素)に変化させて、がん細胞をアポトーシス(自然死)へ導く)*1や使用薬剤(リン脂質で構成された複数層カプセルであるリポソームにICGを封入した薬剤の「ICGリポソーム」を使用。ICGとは、インドシアニングリーンのことで、肝機能検査にも用いられている物質)*2が異なる治療方法です。

*1.2:「佐藤俊彦医師によるセカンドオピニオン情報サイト」より引用

なお、光感受性物質のフォトフリン(第一世代)やレザフィリン(第二世代)とレーザー照射による光線力学的治療法(PDT)は以下の症例が公的保険適用となっています(一般社団法人日本光線力学学会より引用)。

<早期肺がん、表在性食道がん、表在性早期胃がん、子宮頚部初期がんおよび異形成、加齢黄斑変性症、原発性悪性脳腫瘍、化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌>

民間クリニックが行っているのは、保険適用の光線力学的治療法とも異なる光感受性物質とレーザー照射を組み合わせたもので、高額な自己負担を余儀なくされる自由診療です。

そのような光線力学的治療法を「光免疫療法」などと称して行っているのですから、学会が注意喚起の声明を出すのは当然でしょう。

↑川原の花大根にやってきたナミアゲハ春型の♂(4月撮影)。